テンバガーを探せ! 10倍儲かる低位株投資術(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

鮎川 健 (著) 2009年2月27日


○ さあ、四季報を広げよう!
 基本的にチェックするのは、以下の5項目だけです。
 ① 営業キャッシュフロー
 ② 株主持分比率(自己資本比率)
 ③ 現金同等物
 ④ 営業利益
 ⑤ 利益剰余金
 低位株投資における最大のリスクである「破綻リスク」を回避するために、
 「カネはあるか、そして回っているか」
 を優先的に診断するための項目です。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ ①「営業キャッシュフロー」をチェック! プラスが絶対条件
 企業が破綻する直接的要因はただ一つ、「キャッシュの流れが止まる時」です。
 低位株は伊達に低位ではありません。なにかしらの理由があるからこそ「低位」なのです。
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 営業キャッシュフロー
 のみに着目し、ココがプラスであればまずはOKと判断します。
 営業キャッシュフローは、純粋な営業活動によるカネ回りを示しています。材料を仕入れて代金を払い、商品を製造して利益を乗せて販売する。こういったモノの流れとキャッシュの流れがキチンと連動していれば、営業キャッシュフローはプラスになって当たり前です。
 「理由あっての低位株」というリスクを背負った上に、さらにカネがうまく回っていない、すなわち営業キャッシュフローがマイナスの銘柄に手を出す行為はリスクが過大と判断し、それでも買わずにいられない何かしらの理由が見出せない限り、投資は見送るべきです。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ ②「株主持分比率」をチェック! 数字を鵜呑みにするな
 企業にとって資本は筋肉、負債は脂肪です。株主持分比率は、企業がメタボリック症候群に陥っているかいないかの判断材料として活用され、一般的にこの比率が高ければ高いほど財務は優良である、とされています。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ 超高財務なのに株価大暴落の悲劇
 個人投資家が最も避けねばならない、通称
 「株券印刷会社」
 なのです。
 第三者割当による資金調達をひたすら繰り返し、引き受け先は市場で株をひたすら売り抜ける。「増資」という言葉に惹かれて買った個人投資家は、身ぐるみ剥がされて路上にポイ、まさに株式市場のボッタクリバーです。このような銘柄を買うのは完全なる自殺行為です!
 「第三者割当」「減資」「株式併合」三つの合わせ技による禁断の既在株主殺し錬金術。この三つの「効果」は企業に恩恵をもたらし、「弊害」は株主に降りかかるのです。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ ③「現金同等物」をチェック! キャッシュに勝る資産なし
 四季報をめくれば、“現金同等物総額に近い額の時価総額”で放置プレイ中の銘柄が少なからず存在します。
 すなわち、企業の価値自体が完璧に無視され、おまけ的な扱いでしかない極めて不当な市場評価であり、「割安」という判断を下すしかないでしょう。
 極めつきは、時価総額が現金同等物より低い、すなわち企業の価値が、“無価値どころかマイナス評価”されたドMな屈辱プレイ銘柄だって埋もれています。 ・・・なんちゅうひどい仕打ちなのでしょう。
 「そんな銘柄、上場してる価値なんぞない!」と吼える投資家さんもいらっしゃることでしょう。
 しかしココは感情を抑え、「いやはや、こんなに安く買えるの? 大変申し訳ない」。そんな逆転の発想で、周りには悟られぬよう隠密調査を開始するのが得策でしょう。
 ちなみに、この傾向は、証券コード1000番台、建設関連銘柄に多く見られます。
 公共事業削減、競争激化、改正建築基準法施行による工期の遅れ等、国内において斜陽産業の代表であるハンデを背負っている業界なので、時価総額が不当に安いだけで投資のGOサインを下すのは早計といえますが、黒字経営であれば、投資先候補に選出する価値は十分にあります。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ 単発的な営業利益マイナスならOK
 ちなみに、三つの利益関係が、
 営業利益 < 経常利益 > 利益
 のような状態でコンスタントに計上可能な企業は、負債がゼロ、もしく極少、かつ配当金や土地建物の賃借料等を多額に受け取っている優良健全企業です。そのような銘柄が低位に居座っているはずなどありません。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ 特別利益の悲劇
 ブラブラと銘柄探索を行っていると、時折、脅威的な低PER銘柄が目に飛び込んでくることがあります。
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 要注意項目は、「最終利益」の中身です。典型的なパターンの一つとして、前述した「遊休資産の売却益」が挙げられます。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ もう一つの特別利益計上
 このような極端な利益を計上するケースとしては、金融機関による「債権放棄」も挙げられます。
 債権放棄とはその名の通り、借金を全額、若しくは一部をチャラにすることです。借金でクビが回らなくなった企業をこのまま一撃必殺で破綻させるより、少しでも返済してもらい、事業を継続してもらうほうが得策とみなした場合の措置です。
 この場合、債権放棄金額は一括で特別利益として計上されます。その額が多額であればあるほど莫大な特別利益が計上されます。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ 豊富な利益剰余金=優良体質
 低位株が低PBRと化す要因の一つとして、豊富な利益剰余金が大きく寄与しているケースがあります。
 なぜなら、利益剰余金はバランスシートにおける資本の部を潤すからです。結果、低位株投資の最重要チェック項目である「破綻リスク」から一歩遠のくこととなります。
 ですので、利益剰余金に関しては細かいこと考えず、ひたすら多ければ多いほど良し、と解釈してくださって結構です。
 また、「近年の業績がたまたま振るわず売られ続けているけれども、利益剰余金は潤沢」というような低位株が、ひとたび本来のポテンシャルを発揮するような業績回復を遂げ、復活の狼煙を高々と上げた日には、それこそ株価はジャパニーズドリームです。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)

○ 復配寸前の低位株を狙え!
 目下業績が好調で利益を積み重ね、利益剰余金をプラス転換させるべく着々と事業を営んでいる企業が、実際にそうなった瞬間に、配当を復配させる(復配)可能性は大です。
 「有配企業の増配」と「無配企業の復配」、どちらが市場に与えるインパクトが大きいのか?増配は所詮「有から有」に過ぎません。「無から有」へと転換した企業のみなぎるパワーに、より投資家の心は引き寄せられるはずです。ましてそれが、誰もが買える「低位株」だったら、株価が反応しないはずがありません!
 復配は、「株価爆発低位株」の重要なファクターとなり得ます。
 利益剰余金がプラス転換寸前の銘柄を発見したら、ぜひ、投資有力候補の一つとしてリストアップしていただきたいと思います。
 有配企業よりも「復配しそうな無配企業」を優先する
 これが非常に重要なのです。
(第5章 四季報は5か所だけ見ればいい!)









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