新会社法対応 決算書の読み方が面白いほどわかる本(第4章 【そのほか諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう

落合 孝裕 (著) 2006年6月20日


○ 流動比率と当座比率で会社の安定度がわかる - 29.株主資本等変動計算書をみてみよう
 平成十八年五月以降に終了する決算期から、利益処分計算書・損失処理計算書が廃止され、そのかわりに「株主資本等変動計算書」の作成が義務付けられるようになりました。
 これは、貸借対照表の「純資産の部」の各項目について、当決算期における増減額を一覧にしたものです。配当金を出したり、自己株式(自社の株式)を購入したりなど、純資産の変動があると、この表に記載する必要があります。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ 役員賞与の取り扱いはどうなる? - 29.株主資本等変動計算書をみてみよう
 「役員賞与」は、これまでは株主総会の決議によって承認され、利益処分計算書に表示されていました。会社法の施行後は手続きが変わり、役員報酬と同様に株主総会での独立した議案としての決議が必要になります。
 また、経理処理は費用として処理することになり、販売費及び一般管理費のなかに記載されることになりました。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ 法人税は利益が上がっていなければ納めなくよい - 32.税金のことも考えてみよう
 ここで、会社が支払う税金について、簡単にまとめてみましょう。一つめは、損益計算書でも出てきましたが、会社が、儲かっている場合に、利益(所得)に対して、合計で約四〇%支払う法人税、法人住民税、法人事業税(法人税、住民税及び事業税)です。これらの税金は、会社が赤字の場合、法人住民税の一部を除いて支払う必要がありません。
 二つめは、預り金的な性格の、「消費税」と「源泉所得税」です。実は、この二つの税金は、会社が納税できない、つまり「滞納」が多くなっている税金の代表的なものです。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ 会社がもっている資産にかかる税金もある - 32.税金のことも考えてみよう
 会社が支払う三つめの税金は、資産の所有にかかる固定資産税と都市計画税、自動車税などです。いずれも、市役所などから納付書が送られます。
 四つめは、資産の取得についてかかる、登録免許税、不動産取得税、自動車取得税などがあげられます。不動産を登録したときや自動車を購入したときに、購入代金と一緒に支払うことになります。さらに、そのほかの税金として印紙税などがあります。
 このように、それぞれ性格が異なりますが、会社は、経営をしていくうえで、さまざまな税金を支払い続けていくことになります。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ 債権はかならず回収できるとは限らない - 33.決算書には時価がわからないという欠点がある
 粉飾決算をしていない会社でも、債権のうち回収できないものが出てくることは、十分あり得ます。
 これは、本来は、貸倒損失にあるいは貸倒引当金としてその全額または一部を、費用として償却すべきものです。しかし、会社の任意に任せられているものもありますので、あえて償却しない金額は、その分、利益が多く計上されていることになります。
 おなじく、棚卸資産あるいはゴルフ会員権など、実際は価値が落ちているものについても、購入した価格そのものが計上されています。これは、税務上の取り扱いが、資産の評価損については、きびしい条件にあった場合しか認めてないことが影響しています。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ 第三の決算書「キャッシュフロー計算書」とは何か - 34.キャッシュフロー計算書とは
 「貸借対照表」、「損益計算書」につぐ第三の決算書的な位置づけにあるのが、「キャッシュフロー計算書」です。これは、一年間で、現金がどのように回収され、どのように支出されたかをあらわすものです。この「キャッシュフロー計算書」をみると、その会社の一年間の現金の増減額がよくわかります。
 「損益計算書」の利益は、「発生主義」にもとづいて作成されます。つまり、現金の入金がなくても利益が計上される、という問題点があります。
 一方で、「キャッシュフロー計算書」をつくると、現金の入金と出金で作成されますので、実際にお金がいくら入ったのか、いくら出ていくのかが一目でわかる、という長所があります。みせかけの利益ではなく、会社の実際の資金繰りがわかります。
 「キャッシュフロー計算書」は三部構成となっています。
 一つめの「営業活動によるキャッシュフロー」では、会社本来の営業活動によって生じた現金の増減がわかります。「損益計算書」の「営業利益」に相当するものです。このキャッシュフローが、少なくともプラスでないと、資金繰りがきびしくなります。
 二つめが「投資活動によるキャッシュフロー」です。これは、有価証券の取得や売却、あるいは、固定資産の取得、売却などを計上します。会社が一年間で、投資活動にどれだけお金を使ったか、あるいはどれだけお金を回収したか、がわかります。この部分は、設備投資をある程度行うと当然マイナスとなります。一時的にマイナスでも、投資が適正に行われていれば問題ありません。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ フリーキャッシュフローは自由に使えるお金 - 34.キャッシュフロー計算書とは
 そして、「営業活動によるキャッシュフロー」と「投資活動によるキャッシュフロー」をあわせたものを、一般的に「フリーキャッシュフロー」といいます。会社が自由に使えるお金のことで、これからの投資や、財務内容の改善や、配当金に使うことができます。
 そして、三つめの「財務活動によるキャッシュフロー」では、借入れによる収入や返済の支出、また、株主への配当金を記載します。
 最後に、期首と期末の会社のキャッシュ、つまり現預金の残高について記載することになります。
 このキャッシュフロー計算書は、決算書二期分から作成することができます。
 最近では、金融機関が貸付けの判断材料となることが多くなっています。実際の資金繰りがわかり、粉飾決算を見破ることにも役立っているようです。
(第4章 【そのほかの諸表編】決算書を補う諸表についても知っておこう)

○ セグメント情報でグループの業績が詳しくわかる - 35.連結決算書とは
 連結決算書といっても、通常の決算書と、かけ離れたものではありません。グループ全体を一つの会社とみなして、決算書をつくります。同じように、貸借対照表と損益計算書がメインであることは変わりなく、グループ会社間の調整項目が多少あるにすぎません。
 さらに、「セグメント情報」といって、①事業の種類別、②所在地別、③海外売上高を分類した情報を公開することになっています。「事業の種類別」では、どの事業グループ全体の利益に貢献しているかがわかります。「所在地別」では、どの地域がそのグループ全体の利益に貢献しているかがわかります。「海外売上高」では、海外市場への依存度がわかります。そのセグメント情報により、その会社の経営内容を詳しく知ることができ、そのグループ全体で伸びている事業、落ち込んでいる事業がわかります。
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