株式投資で損をしない会社を見抜く方法(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

高橋 要 (著) 2009年2月


1.社長に経営能力はあるか? - 第1節 社内から示されるサイン
 ※ 社長に経営能力はあるか?
 会社の成否の多くは社長の力にかかっているといえます。危ない会社を見抜くには、社長に経営経験、事業知識、経理能力などがあるかを確認する必要があります。
  ・
  ・
  ・
 経理に弱い社長が、経理担当者にまかせっきりで不正を見抜けず危機に陥ったというケースもあります。目先の事業拡大、売上拡大にだけ目を向けて、中長期の経営計画に従わず、無理な借金をしたり、社員に無理を強いたりするケースもあります。事業計画書や有報の「事業の状況」で、非現実的で根拠が薄い、過度に強気な目標が見えるようなら要注意です。

 ※ 社長にバランス感覚はあるか?
 社長の独創性、リーダーシップなどによって会社が拡大したものの、組織が大きくなり事業が踊場に達した時に、かえって障害となってしまうことが往々にしてあります。
 過度な設備、無理な借金、優秀な人材の離脱などとなって顕れます。
 ワンマン社長の暴走により、資金繰りに困って会社が潰れた例は多くあります。

 ※ 情報源
 社長の人となりは、なかなか公開情報では掴みきれませんが、有報の「役員の状況」で社長の履歴をチェックしたり、株主総会などで社長の表情や話す内容をチェックしたりすることで推察しましょう。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

3.経営陣に問題はないか? - 第1節 社内から示されるサイン
 ※ 経営陣に会社の体質が現れる
 社長のもとで経営を実行するのが役員等の「経営陣」です。ここに会社の体質がよく顕れます。
 役員が高齢化していないか?数が多すぎないか?同族や学閥で固まっていないか?などをチェックしましょう。よくあるのが、創業一族と新経営陣の争いで経営が停滞するケースです。
 各役員の所有株式数を見ることで、権力バランスに偏りがないかを推しはかることもできます。

 ※ 監査、経理責任者に不自然な動きはないか?
 監査役、経理責任者が突然退職していたら要注意です。不正が理由の退職でないか?会社の倒産を予知しての見切り退職ではないか?などの可能性を疑いましょう。
 特に銀行から来た出向者の動きには要注意です。

 ※ 情報源
 役員の履歴は、有報の「役員の状況」でわかります。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

4.社員の動きに問題はないか? - 第1節 社内から示されるサイン
 ※ 情報源
 従業員数については、有報の「従業員の状況」で、確認することができます。
  ・
  ・
  ・
 常にアンテナを張って、会社の根幹であるヒトに異常な動きはないかをチェックするよう心がければ、危ない会社の兆候を早い段階でかぎ分けることができるでしょう。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

1.グループ会社に問題はないか? - 第2節 社外から示されるサイン
 ※ 親会社から子会社へ、子会社から親会社へ
 これまでの事例では、親会社が破綻した後、ほとんどの系列企業は連鎖倒産しています。親会社が危険な場合、その動向を注視しましょう。
 逆に、子会社(議決権50%以上)、関連会社(同20%以上)の倒産が親会社に危険を及ぼすケースもあります。子会社への出資が大きい場合や、子会社に巨額の融資や債務保証をしている場合は要注意です。

 ※ 情報源
 グループ会社に関するサイトは、有報の「関係会社の状況」、「生産、受注及び販売の状況」「付属明細表(関係会社出資金明細表、関係会社有価証券明細表)」、ニュース(業界ニュース、倒産動向)などからわかります。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

2.取引先に問題はないか? - 第2節 社外から示されるサイン
 ※ 取引先や、取引先の取引先に倒産はないか?
 自社が苦しいときに、取引先の問題が追い打ちをかけるケースがあります。特に、建設業、製造業、流通業は取引先のすそ野が広いので要注意です。

 ※ 取引先からの債券回収条件の悪化はないか?
 つい会社本体のみに目が行きがちですが、会社の事業は取引先と取引し、代金をやり取りすることで成り立っています。ここが上手くいかなくなって倒産した例は少なくありません。

 ※ 情報源
 これらは、有報の「関係会社の状況」や「生産・受注及び販売の状況」、単体財務諸表の次にある「主な資産及び負債の内容」に記載されている売掛金や買掛金の状況、取引先の有報、業界ニュース、倒産動向などからわかります。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

3.銀行との関係に問題はないか? - 第2節 社外から示されるサイン
 ※ メインバンクと良好な関係を築いているか?
 特に、経営危機に陥ったときに支援してくれる金融機関なり取引先なりがあるかどうかは、会社の安全性を見る上で大事なポイントです。
 メインバンクに見放されたり、資金融資先が見つからなくなったりして倒産した例は多くあります。

 ※ メインバンクを頻繁に変えていないか?
 メインバンクが頻繁に変わっている場合は要注意です。これまでの経緯や内情を知らない銀行が、いざというときに適切な支援を行えない恐れがあります。メインバンクの変更自体が、会社が傾いているサインだったりもします。

 ※ 情報源
 これらは、有報の「株主の状況」「主な資産および負債の内容(長期借入金)」や、ニュース(銀行動向)などからわかります。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)

4.監査意見に問題はないか? - 第2節 社外から示されるサイン
 ※ 外部監査は義務
 有報では、財務書類の作成が適正に行われたかどうかについて、会計監査法人によりチェックを受け、結果を監査報告書として添付することが義務付けられています。

 ※ 監査法人意見に注記や特記事項がないか?
 不適正意見や意見差控えの場合は、粉飾決算の疑いが出てきます。会社が末期症状になっていると疑ったほうがよいでしょう。

 ※ 監査法人が変更されていないか?
 監査法人が変わった場合も要注意です。背後に会社の危機がある可能性を疑ってみましょう。

 ※ 情報源
 「監査報告書」は、有報の最後に付いています。
(第2章 ヒトから危ない会社を見抜く方法)









HTMLソースを入力して下さい。



← 第1章                                                       第3章 →
トップページ