株式投資で損をしない会社を見抜く方法(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

高橋 要 (著) 2009年2月


1.決算書とは - 第1節 決算書とは?
 ※ 決算書とは会社の姿をお金で記録したもの
 「決算書」とは、会社の企業業績や財務状況などを表す書類のことです。

 ※ 決算書の種類
 決算書には色々な書類と呼び方があります。これは、税法、金融商品取引法(旧証券取引法)、会社法と3つの法律が決算書の作成を求める上、作成書類や呼び方が異なるからです。
 基本的には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の財務3表をおさえておけば問題ありません。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

2.決算書の使い方 - 第1節 決算書とは?
 ※ 株式投資に決算書は不可欠
 株式投資において、危ない会社、あるいは有望な会社を見分けるには、会社の財務諸表や業績を把握することが絶対不可欠です。そのための基礎にして最も重要な資料が決算書だといえます。

 ※ 会社に関わるあらゆる人々が決算書を使う
 会社には様々なステークホルダー(利害関係者)がいます。これらの人々に、会社の正しい情報を提供することが決算書の目的です。
 株主以外にも決算書は広く活用されています。
  ・経営者が会社の現状を把握するとき
  ・金融機関が会社に対する融資を判断するとき
  ・税務署が税金の額を調査するとき
  ・会社が取引先の信用を判断するとき
 などに必ず決算書を利用します。また、
  ・従業員が自分の会社の状況を把握するとき
  ・学生が就職先を調べるとき
 などにも活用できます。

 ※ 決算書は基礎資料にすぎない
 商品及び市場情報、営業力や技術開発力に関する情報、経営者や従業員に関する情報などを決算書に数値データの分析と結びつけて読み取ることで、会社の実態がよりはっきりしてきます。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

1.貸借対照表とは - 第2節 貸借対照表とは?
 ※ 貸借対照表とは
 「貸借対照表」は、決算書の1つで、決算期末日における会社の財政状態を表します。財政状態とは、会社がどんな資産を持っていて、どんな借金があるのか、そして、自分で用意した資本はどれだけあるのかということです。貸借対照表には、左と右に大きく分けてこれらが表示されます。

 ※ 資産は左
 まず、左側には資産が表示されます。「資産」には、会社が保有しているモノやおカネなどが並べられます。現金預金、受取手形、製品、建物や車両運搬具などです。資産には権利や引当金といった目に見えないものもあります。

 ※ 負債と資本は右
 右側には負債と資本(純資産)が表示されます。
 「負債」は、他人から借りて調達したお金です。支払手形、借入金などです。
 「資本(純資産)」は、自分で用意したお金です。株主資本などです。
 負債が人から借りたお金であるのに対して、資本は自分で用意したお金やモノです。

 ※ バランス・シートとも呼ぶ
 貸借対照表は、必ず左と右が同じ大きさでバランスが取れていなければなりません。調達したお金がどれだけあって(負債と資本)、それをどのように使っているか(資本)を表すからには、両方が同じ金額でなければなりません。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

2.貸借対照表の並び方 - 第2節 貸借対照表とは?
 ※ 貸借対照表の並び方のルール
 貸借対照表の左側には資産、右側には負債と資本が載っています。その内訳と並べ方には一定のルールがあります。
 資産は、換金性の高い、つまり、早く現金化できるものから順に上から並べます。負債は、早く支払われるものから順に並べます。これは短期的な支払能力を重視した並べ方で、危ない会社を見分けるときには、特に、この短期支払能力に着目します。

 ※ 資産の部は、3つに分かれる
 「資産の部」は、流動資産、固定資産、繰延資産の三つに分類されます。
 「流動資産」は、現金預金、受取手形、売掛金、製品、原材料といった現金化を早くできるもので、1年以内に換金できる資産です。
 「固定遺産」は、建物、機械設備、土地などの「有形固定資産」と、特許権など形のない「無形固定資産」、さらに「投資等」に分かれます。
 「繰延資産」は、株式発行費や試験研究費などです。発生した費用の額が大きく、その効果が複数の決算期間に渡るため、貸借対照表への計上を次の期以降に繰り延べます。

 ※ 負債の部は、2つに分かれる
 「負債の部」は、「流動負債」「固定負債」の二つに分類されます。
 「流動負債」は、1年以内に支払わねばならない借金や債務で、支払手形、買掛金、短期借入金などを早く支払われるものから並べます。
 「固定負債」は、1年を超えて支払われる借金や債務で、長期借入金や退職給付引当金などです。

 ※ 純資産の部は、株主資本とその他
 「純資産の部」は、「株主資本」と「その他」から成ります。株主資本は、会社が自前で用意したお金で、資本金と剰余金から成ります。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

1.損益計算書とは - 第3節 損益計算書とは?
 ※ 損益計算書とは
 損益計算書は、決算期間中に会社があげた利益あるいは損失(損益)の内訳を表したものです。会社がどれだけ儲けることができたかの業績を表す成績表だといえます。英語のプロフィット・アンド・ロス・ステートメントを略してP/L(ピー・エル)と呼んだりもします。

 ※ 2つの部と3つの計算
 会社が期間中にあげた「収益」から期間中にかかった「費用」を引いたものが「利益」です。
 損益計算書では、利用者が見やすいように、同じような取引における収益と費用を対応させて計算します。損益計算書は、大きく2つの部に分かれます。「経常損益の部」では会社の営業活動に関する「営業損益計算」と営業外の活動に関する「営業外損益計算」を行います。2つとも、毎年経常的に行われる活動についての損益計算です。
 「特別損益の部」では、その年に臨時に発生する特別な収益や費用を「特別損益計算」として計算します。
 最後に税金の支払いを反映させると当期純利益が出てきます。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

1.キャッシュフロー計算書とは - 第4節 キャッシュフロー計算書とは
 ※ キャッシュとは
 「キャッシュ」とは、現金及び現金同等物を指し、現金はもちろん、当座預金や普通預金、短期の定期預金を含みます。
 「キャッシュフロー計算書」は、期中の企業グループのキャッシュの増減のみを表したものです。連結財務諸表で作成が義務づけられています。キャッシュの増減は、似たもの同士に分類して記録されます。

 ※ 営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)
 本業である営業活動によるキャッシュフローを表します。商品の販売や仕入れ、営業経費の支払いなどに関するキャッシュの増減です。

 ※ 投資活動によるキャッシュフロー(投資CF)
 設備投資や有価証券投資などの投資活動によるキャッシュフローを表します。固定資産の購入や売却などに関するキャッシュの増減です。

 ※ 財務活動によるキャッシュフロー(財務CF)
 負債や資本に関わる財務活動によるキャッシュフローを表します。資金の借入や増資、配当などに関するキャッシュの増減です。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)

2.なぜキャッシュフローなのか? - 第4節 キャッシュフロー計算書とは
 ※ 安全性を見抜くため
 黒字倒産といった、利益が出ているのに資金繰りが悪化して倒産する例が増えてきたことが挙げられます。会社の安全性を見極めるには、利益だけでなく、キャッシュをどれだけ持っているのかを見る必要が出てきたのです。
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 キャッシュフロー計算書からは、損益計算書ではわからない手元にあるキャッシュの量を把握することができます。
(第4章 カネから危ない会社を見抜く前提)











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