なぜか日本人が知らなかった新しい株の本(第3章 企業の価値を暴き出せ!)

山口 揚平 (著) 2005年7月20日


1.企業価値を出す前に知っておくべきこと
 企業価値の算定には、次の2つのポイントがあります。
  ① 企業は丸ごと評価すること
  ② 企業の価値は、その「企業の事業の価値」と「もっている財産」を足したもの

 ※ 企業は「丸ごと」評価せよ
 たとえば、すべての宝くじを1000億円で買い占めたとしても、52%のテラ銭を考えると当選金額の合計は480億円にしかなりませんが、なかなかこのことには気づかないものです。「木を見て森を見ず」ということです。
 株式投資でも同じことがいえます。つまり、目の前のたった1株だけを見て、株の売買をしてはならないということです。私たちはたった1株を購入するときでも、その企業の価値を考えて、価格の妥当性を判断する必要があります。変な話と思うかもしれませんが、会社を丸ごと買う気がないのなら、そのたった1株でも買ってはいけないのです。
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 ※ 企業の価値は財産と事業
 企業の本来の価値は利益を期待利回り(5~9%)で割るとわかる、と述べました。そして、株価が価値より安いときに株を買うのが正解だといいました。
 これは間違いではないのですが、企業の「価値」には、実はもう1つの要素があります。それは、企業が内部に貯めている財産です。
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 つまり、企業の真の価値とは、「事業の価値」と「財産」を足したものなのです。
(第3章 企業の価値を暴き出せ!)

2.5分で弾ける株の価値
 ※ 4つのステップで価値を弾く
 実際に、株の価値を算定してみましょう。ステップは大きく次の4つに分かれます。
  ① 「事業価値」を見積もる
  ② 「財産価値」を見積もる
  ③ 負債(借金)を引く
  ④ 発行済株式数で割って1株の価値を出す
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 ※ 事業価値は営業利益の10倍?
 ステップ1 「事業価値」を見積もる
 ① まずは「事業価値」を出しましょう。事業価値を出すには、事業がもたらす利益である営業利益をベースにします。
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 ※ 財産は預金通帳と田舎の山林
 ステップ2 「財産価値」を見積もる
 財産価値とは、会社が持っている現金や土地などの資産のことで、事業を行ううえでは直接必要がないものです。企業が内部に貯め込んだ財産価値を出すためには、2つのものを足す必要があります。1つは流動資産の中の財産部分で、もう1つは固定資産の中の財産部分です。
 ① “流動資産”というのは、お金に換えやすい(1年以内に換金されるもの)という意味です。ですから、流動資産とは1年以内にお金に換える資産のことです。一方、固定資産は1年以内にはお金に換わらないものです。たとえば、あなたの預金はすぐにお金として使えるので流動資産、あなたの持ち家はすぐには売れないので固定資産、というわけです。
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 ※ 借金を引けばできあがり!
 ステップ3 負債を引く
 ステップ1で出した事業価値と、ステップ2で出した財産価値を足すと、企業価値になります。
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 ※ 1株あたりの価値はいくら?
 ステップ4 発行済株式数で割って1株の価値を出す
 最後に、発行済株式数で割れば、1株あたりの価値が出ます。
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 ※ 安全域という発想
 株式投資で利益を上げるためにはより精緻で厳密な分析が必要なのか、といわれると、そうではありません。そのヒントは「安全域」という考え方にあります。安全域とは、簡単にいえば、価値と株価の差の大きさ、つまり割安度の高さを意味します。割安度が高いほど株価の上昇余地が大きいわけですから、私たち個人投資家にとっては、価値が厳密に計算されていることよりも、この安全域の大きさを意味する方がより重要なのです。もし詳細に価値を計算しなければならないようなら、そのような企業への投資はそもそもやめるべきなのかもしれません。
(第3章 企業の価値を暴き出せ!)

3.割安株をどのように探すのか?
 企業の価値のしくみがわかってくると、今度は、どのようにして割安な株を探すのか、ということが焦点になります。現在、日本には約3700社の上場企業がありますが、これをすべて見ていくことは実質的には不可能です。
 したがって、有望な企業をある程度(最大100社)まで絞り込んで、割安な銘柄をピックアップする必要があります。これをスクリーニングといいます。本節では、いくつかのスクリーニング・ツールを簡単に紹介しましょう。
  ① 無料のスクリーニング・エンジン
  ② 証券会社のスクリーニング・エンジン
  ③ 『会社四季報CD-ROM』
(第3章 企業の価値を暴き出せ!)

 









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