なぜか日本人が知らなかった新しい株の本(第6章 「感情の罠」にはまらないために)

山口 揚平 (著) 2005年7月20日


1.なぜ株で損をするのか?
 ※ 損をするのはいつも同じパターン
 株で損をするのには、一定のパターンがあります。それはまず、投資をするのに根拠がない(または弱い)ということです。根拠がないと、自分の買い値に自信がもてません。すると、投資した後、日々の株価の上下動を見ているうちに、だんだん感情的になってきます。そして、「感情の罠」に落ちます。
(第6章 「感情の罠」にはまらないために)

2.「感情の罠」が自然に損を引き寄せる
 ※ 確実性と可能性、選ぶのはどっち?
 もし賢明なる鵜投資家をめざし、今後も継続的に投資をするのであれば、冷静に確率論的見地から合理的な判断を下すべきでしょう。それでなければ、私たちは、「儲けは確実に手にしたい、損はできるだけ帳消しにしたい」というう「感情の罠」にはまってしまいます。
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 競馬場に行って、負け続けた日の最終レースではあえて大穴狙いをすることが多いのも、これまでの負けをすべて取り返したいと思っているからなのです。

 ※ 損失は「売り」から生まれる
 たいていの人は、株を買うときは合理的に考えているものですが、売るときは感情的になっています。それはなぜかというと、株価が毎日ふらふらとゆれ動くからです。
 日々の株価の「ゆれ」を見ていると、株価に流されるようにして根拠なき投資家の心もゆれ動くようになります。株価が下がれば不安になり、上がれば楽観的になります。こうして投資家は、買ったときの根拠ではなく、その時々の感情に従って売買をするようになるのです。
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 ※ 「後悔」と「プライド」が損を招く
 株式投資を「勝ち負け」で考えているため、利益の大きさよりも、利益が出ているかどうかのほうが問題となるのです。ですから、少ない利益でも、買値より高く売れば「勝ち」と考えるのです。こうして、大きな利益を取り逃してしまいます。
 逆に、儲けは確実に手にしいたいと考える一方で、「損はできるだけ帳消しにしたい」と考えます。株価が下がったからといって損を確定するのはプライドが許さないために売らず、ずるずるともちつづけます。これを「塩漬け」といいます。しかし、最後にはあきらめ、損失を拡大させてしまうのです。
 これが、株式投資における「感情の罠」です。
(第6章 「感情の罠」にはまらないために)

3.投資家に救いはあるか?
 投資のモノサシをもたずに根拠もなく投資をすると、人は、感情の罠に導かれるようにして株で損を重ねていきます。すると「株はやっぱり怖い、おとなしく預金でもしておこう」となってしまうのです。
 いったい、私たちはどうすればよいのでしょうか? 投資家に救いはあるのでしょうか? 方法はあります。
 1つは、常に冷静に企業の価値に基づいて投資判断をすることです。持ち株の低下時に投げ売りを思いとどまらせるのは、やはり、その投資先の本質的な価値に対する深い理解だと思います。その意味で、企業価値を見抜くスキルは不可欠だといえます。
 感情の罠を避けるもう1つの方法は、感情的な行動が損失を招くということに対する理解を深めることです。感情の罠は、そのメカニズムさえ知ってしまえば案外、避けることができるようになります。この分野は「行動ファイナンス」と呼ばれ、その権威ともいえるダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して以来、研究が進んでいます。
(第6章 「感情の罠」にはまらないために)

4.投資に役立つ7つの習慣
 第1の習性 株価が「上がるか下がるか」を予測するのではなく、「割安かどうか」に着目しよう
 投資の神髄は、その企業の価値(事業価値、財産価値)に比して、どれだけ安く購入するか、にあります。
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 第2の習慣 意見ではなく、事実に基づいて判断しよう
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 財務諸表が情報の6割、過去10年の記事が情報の2割を占めています。残りの2割は、インタビューなどの生情報です。これも地味ですが、大事な習慣です。

 第4の習慣 すべてを知る必要はない。価値の“本質”を見抜こう
 「株」を買うのではなく、「企業」を買うのだということを忘れてはいけません。
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 いままでさまざまな企業を見てきましたが、価値の源泉はどの企業も1つか2つしかありませんでした。
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 第5の習慣 投資は手段であって、目的ではないと知ろう
 常に投資をしつづける必要はありません。割安な投資先が見通からないときは、投資自体を控えたほうがよいでしょう。決しててっとり早く儲けようと思わないこと。これができないと、必ず「感情の罠」にはまります。

 第6の習慣 毎月最低収入の1割を証券口座に振り替えよう
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 バビロンの遺跡から発掘された粘土板には、ある奴隷が借金を返済し財を成すまでの日記が刻まれていました。その内容は、「まず、収入の1割を必ず自分の手元にとっておくこと、そして2割を借金の返済に充てること、残りの7割で生活すること」です。
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 第7の習慣 謙虚に学びつづける姿勢をもとう
 自分が賢い、優秀だと過信したときから損失は生まれます。過信と自信は違います。自分の投資能力を過信すると、企業の価値の本質を見抜くメガネが曇ってきます。
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(第6章 「感情の罠」にはまらないために)

 









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