はじめてでも儲ける低位株投資戦略(第1章 低位株の特徴をつかむ)

藤本 壱 (著) 2008年12月10日


○ 低位株の値動きが大きくなりやすい理由 - 低位株は株価の変動が大きい
 株価の上昇で利益を得る場合、値上がりの「額」ではなく、「率」の方が重要です。同じ金額を投資するなら、値上がり率が高い方がより大きな利益になります。
 ところが、人間の感覚では、率の大小よりも額の大小の方に目が行きやすいものです。低位株は株価水準が低く、率で大きく上がっても額では小さいため、あまり値上がりしたように感じにくいのです。逆に、値嵩株は値上がり率は小さくても額ではそこそこ大きいので、値上がりしたように感じられます。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 下げるときも大きく下げやすい - 低位株は株価の変動が大きい
 低位株には「上がるときは大きく上がるが、下がるときも大きく下がる」という傾向があります。
 そのため、値動きに翻弄されてしまい、損失を出すことも十分にあり得ます。後の章で解説していきますが、しっかりとした戦略を立てて低位株投資に臨むことが必要です。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 値動きの大きさは銘柄により異なる - 低位株は株価の変動が大きい
 低位株は全般的に値動きが大きい傾向があります。ただ、すべての銘柄が同じなのではなく、非常に値動きが激しい銘柄もあれば、それほどでもない銘柄もあります。
 2003年から2007年にかけて市場全体が大きく上がり、その後に大きく下がりました。その中で、世界的な経済拡大によって、鉄鋼や海運の企業の業績が急拡大し、それらの銘柄は大幅に上昇しました。
  ・
  ・
  ・
 一方、内需中心の銘柄には、それほど大きな値動きにはならなかったものもあります。例えば、王子製紙(3861)は、ここ10年は400円~800円付近を上下する動きが続いています。
 このように、一口に低位株といっても、銘柄によって特徴があります。したがって、銘柄ごとの特徴に応じた投資法を取ることが必要になります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 2008年10月の値動きに注目する - 低位株は株価の変動が大きい
 2008年9月15日にリーマンブラザーズが破綻し、その後世界中の株式市場が混乱に陥りました。特に、日本の株式市場では、ヘッジファンド等が顧客の解約に備えて現金を用意しようとして売りを強めたために、売りが売りを呼ぶ展開に見舞われました。その結果、2008年10月には市場全体的に激しい下落が起こりました。
 このような中で、低位株の中にも大幅に下落したものが多かったのですが、意外に下げ渋った銘柄もあります。例えば、前ページであげた商船三井は暴落しましたが、日本通運は下げ渋った方です。
 2008年10月の各銘柄の株価の動きは、将来にその銘柄がどのような形で底をつけるのか、またどのぐらいの株価水準で底をつけるかを考える上で、重要なヒントになると思われます。投資する銘柄を決める際には、2008年10月の株価の動きをよくチェックすることをお勧めします。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 値嵩株は株価の動きが読みにくい - 低位株は下値が読みやすい
 値嵩株の中には、「株価が動き出すとどこまで動くかが読めない」という銘柄があります。特に、インターネット関連など業績変動が大きい銘柄ほど、上値も下値によみにくくなる傾向があります。
 「株価の動きが読みにくい」ということは、売買するタイミングがつかみにくい、ということでもあります。下がりだすとどこまで下がるかわかりませんので、買うのには勇気がいります。また、上がるときも同様で、いつ売れば良いかとハラハラすることになるでしょう。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 低位株は比較的下値が堅い - 低位株は下値が読みやすい
 値嵩株と比較すると、低位株は株価の変動が比較的読みやすいという傾向が見られます。特に、下値が堅い傾向が見られます。
 株価の高い銘柄は下がる余地も大きく、例えば株価3,000円の銘柄は、3分の1の1,000円に下がったとしても、まだ下がる余地があります。一方、300円の銘柄の場合、3分の1の100円に下がると、「これはかなり安くなった」という印象になりますので、それ以上は下げにくくなってきます。
 このように、低位株は元々の株価が安いので、下がるにしても限度ができやすく、下値が限定されやすくなります。
 さらに、銘柄によっては、「株価が○○円あたりまで下がると反発する」といったクセがあるものもあります。このような銘柄だと、そのクセを利用して、安くなったタイミグで買いやすいです。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 下値/上値がはっきりしない銘柄もある - 低位株は下値が読みやすい
 業績変動が大きい銘柄は株価も大きく上下しやすくなり、上値下値のメドをつけるのは困難です。特に、赤字と黒字をいったりきたりするような銘柄は、株価の変動が大きくなりやすいものです。
 株価変動が大きい銘柄は、一見すると大きく儲けられそうに見えます。しかし、値動きに翻弄されてかえって儲けにくくなることがよくあるので、株価変動が大きい低位株に投資する場合は、注意が必要です。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 超低位株はハイリスク・ハイリターン - 低位株でも価格帯により特徴がある
 低位株の中で、株価が一桁~数十円程度の銘柄群のことを総称して、「超低位株」と呼びます。超低位株はいつ倒産してもおかしくないような危うい銘柄であり、リスクが高いので、普段はほとんど無視されています。
 ただ、市場全体に手詰まり感が出たときなどに、超低位株に物色の矛先が向いて、株価が短期間で数倍にもなることがあります。
  ・
  ・
  ・
 短期間で大きく儲けられそうに見えるかも知れませんが、超低位株がいつ急騰するかは、ほとんど予測できません。また、上がるときも急騰急落を繰り返しながら上がりやすいので、仮に安く買えたとしても、どこが高値かわかりにくく、持ち続けることも困難です。
 さらに、前述したように、超低位株は倒産寸前の銘柄です。「安いときに買って上がるのを待ち伏せしよう」と思って買うと、そのまま倒産してしまい、株が紙くずになるリスクもあります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 株価が上がるほど値動きが落ち着いていく - 低位株でも価格帯により特徴がある
 低位株でも、株価が200円を超えるあたりになってくると、値動きが徐々に落ち着いていく傾向があります。30ページの図1.13を見ると、株価が200円以下と200円超とでは、全般的に標準偏差に差が見られます。特に、株価が300円超になると、標準偏差の年ごとに変化があまりなくなっていきます。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 値嵩株への投資はプロが多い - 低位株なら個人投資家の強みをいかせる
 プロの投資家と真っ向から勝負するとなると、情報の速さや両の面で、我々個人投資家は不利な立場に立つことになります。なるべくなら、プロがあまり参加してこないところで勝負する方が良いと言えます。
 プロの投資家も個人投資家同様にいろいろな銘柄を売買しますが、どちらかと言えば「無難」な銘柄を手掛ける傾向があります。プロは、他のお金を運用するので、ギャンブル的なことをして失敗した場合、責任問題になりかねません。そのため、無難な銘柄を買う方向にならざるを得ないわけです。「無難な銘柄」は、トヨタ自動車、キャノンなど、メジャーな銘柄のことです。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 低位株はプロはあまり買わない - 低位株なら個人投資家の強みをいかせる
 メジャーな銘柄はプロが多く買っており、そのような銘柄ではプロと同じ土俵で勝負することになります。個人投資家にとってあまり都合の良いことではありません。
 この問題を避けるためにも、低位株投資が役に立ちます。低位株は機関投資家がそれほど売買しておらず、個人投資家が売買の中心になる傾向があります。そのため、プロにしてやられる可能性は少なくなると考えられます。
 また、個人投資家には初心が多く、勘やイメージなどで売買している人も多いのです(中にはプロ顔負けの凄腕の人もいますが)。したがって、しっかりとした戦略を立てて低位株に投資すれば、他の個人投資家に勝つことも十分に可能だと考えられます。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ プロが参戦してきたときはどうするか - 低位株なら個人投資家の強みをいかせる
  ■ 株価が急騰したら早めに撤退する
 例えば、何らかの好材料が出るなどして、株価が急騰する銘柄が出たとしましょう。すると、個人投資家はもちろんのこと、証券会社の自己売買部門のトレーダーなども値動きで儲けるために参戦してきます。
 それによって株価がさらに上昇すれば良いですが、いろいろな思惑が混ざり合って、乱降下することも往々にして出てきます。上がったと思ったらあっという間に値下がりしてしまい、損失になることもあります。
 基本的にはその銘柄にあまり深入りせずに、適当なところで切り上げて撤退する方が良いでしょう。また、株価が一度急騰すると、それ以前の動きに戻るのに2~3年はかかることもよくあります。
  ・
  ・
  ・

  ■ 外国人投資家に狙われる低位株もある
 株価が低位に位置している企業は、全体的には業績や財務があまり順調とは言えない傾向があります。しかし、中にはそれらが申し分ない企業もあります。
 そのような企業は、買収のターゲットにされることがあり、外国人投資家に狙われることが多いのです。買収の際には、TOB(株式公開買い付け)という手法で投資家から株を買い集めることがあり、そうなると株価が急騰することもあります。
財務が良いのに株価が低位に位置している銘柄を見つけたら、こっそりと買っておくと、外国人投資家がTOBを仕掛けてきて、株価が急上昇することもあります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 景気循環と株価の関係 - 相場局面を考えた低位株投資
 景気は良くなったり悪くなったりを繰り返し、循環していきます。これを景気循環と呼びますが、谷から山を経て再度谷に至るまでの過程が、1回の景気循環となります。また、株式相場全体も、大きくは上昇相場と下落相場の繰り返しがありますが、基本的には景気循環に沿って相場も循環していきます。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 4つの相場局面を考える - 相場局面を考えた低位株投資
 景気循環に沿って相場も循環していきますが、相場は大きく分けて、金融相場/業績相場/逆金融相場/逆業績相場の4つの局面に分けられます。それぞれの相場局面に応じて、適した投資手法や銘柄は異なってきます。景気循環の現在位置はどこか、そしてこれから相場はどの局面に向かうのか、を予想しながら投資手法と銘柄選びを考えることが必要です。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 金融相場の狙い目は低位株や景気敏感株 - 相場局面を考えた低位株投資
 景気が底を打つ前に株価は上昇に転じることが多いものです。このような局面を「金融相場」と呼びます。
 景気が悪い時期には、景気を刺激するために金利が引き下げられます。お金を借りやすい状況により、市場に資金が多く供給されます。一方、金利が低くなれば預貯金や債券は魅力が乏しくなって株式に投資が向かいやすくなり、それによって株価が上がり始めます。
  ・
  ・
  ・
 金融相場では株価が底を打って上昇しますので、低位株が特にその恩恵を受けやすくなります。
  ・
  ・
  ・
 さらに、金融相場の時期は景気が底を打つあたりですが、そのような時期には企業の業績も底を打って上がる傾向が見え始め、業績予想が大きく好転することが増えます。そのため、景気敏感株も、金融相場では大きく株価が上がる傾向があります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 業績相場では好業績銘柄や割安株を探す - 相場局面を考えた低位株投資
 景気が本格回復すると、それにともなって株価も上昇し、株価のピークに近づきます。このような市場全体が上昇する局面の後半部分を、「業績相場」と呼びます。
 業績相場でも市場は全般的に上がりますが、金融相場とは異なり、業績の良し悪しが株価に反映されやすい状況になります。
  ・
  ・
  ・
 業績相場では低位株の中でも業績や財務をしっかりチェックして、良い銘柄を選ぶことが重要です。
  ・
  ・
  ・
 業績相場になると、「循環物色」といって、それまであまり注目されていなかった銘柄群に、投資の矛先が向くことがあります。その際には、業績や財務から見て株価が割安な銘柄が注目されやすくなるので、そのような銘柄が狙い目になります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 逆金融相場では手仕舞も考える - 相場局面を考えた低位株投資
 景気がかなり良くなってくると、景気の過熱を抑えるために、金利が徐々に引き上げられてきます。すると、資金を借り入れにくくなり、景気が落ち着いて株価も下がり出します。このような相場局面を「逆金融相場」と呼びます。
 一般に、逆金融相場の後には、本格的な景気後退期が続き、株価が大きく下落します。したがって、金利が上がりだすなど、逆金融相場の傾向が見え始めたら、持ち株を売って利益を確定し(あるいは損失が出ていても処分し)、株価の値下がりに備えるようにします。
 あるいは、景気変動の影響を受けにくいディフェンシング株に銘柄を入れ替えて、配当を重視するというのも一手です。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 逆業績相場では空売りや短期リバウンド狙いも - 相場局面を考えた低位株投資
 景気が山を過ぎて後退期に入ると、株価もどんどん下落していきます。このような相場局面を「逆業績相場」と呼びます。
 株価が下落する中で「株を買って待つ」という方法では、利益を上げることはまず不可能です。「全体的に下がっても、中には上がる株があるのでは?」といった意見もありますが、そのような銘柄をうまく当てるのも至難の業です。下落相場では、それに応じた手法を取る必要があります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 仕立株の動き方 - 低位株は仕立化することもある
  ■ 低位で業績の悪い銘柄が狙われやすい
 仕立てに狙われるのは、100円以下といった超低位で、しかも業績が悪い銘柄に多い傾向があります。
 低位株であれば、少ない資金で大量に売買できるので、値嵩株に比べて仕立化されやすいのです。また、業績が悪い銘柄にしておけば、いろいろと噂も流れやすく、思惑が思惑を呼んで仕立化が進みやすい傾向があります。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

○ 仕立株の売買は十分に注意 - 低位株は仕立化することもある
 仕立株で儲けるのは困難です。むしろ、失敗して損をする可能性の方が高いと思います。
 個人的には、仕立株の売買はお勧めできません。
(第1章 低位株の特徴をつかむ)

 









← プロローグ                                           第2章 →
トップページ