はじめてでも儲ける低位株投資戦略(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

藤本 壱 (著) 2008年12月10日


○ 集中投資するとリスクが高くなる - 銘柄分散で全体のリスクを抑える
 読者の皆様の中には、特定の銘柄1つに集中的に投資する方がいるかと思います。しかし、それはリスクが高い手法です。
 ある1つの銘柄に集中投資すると、どのような問題点があるでしょうか? その企業が良い業績を上げれば、株価も大きく上がることが予想されます。もし、その銘柄に資金を集中投資していれば、大きな利益を上げられます。
 ところが、業績が大きく悪化するとどうでしょうか。そうなると、株価が大きく下落し、大きな損失が出ます。その企業が倒産したら、その株は紙くずになってしまいます。
 このように、1つの銘柄に集中投資すると、資金が大きく増える可能性がある一方、大きく減ったり、最悪の場合はなくなったりする可能性も出て、損益のブレが大きくなることになります。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ リスクを抑えてコンスタントに儲ける - 銘柄分散で全体のリスクを抑える
 リスクを多く取って高いリターンを得ようとすると、運が良ければあるときは大勝ち、またあるときには大負け、といったことになりがちです。そうなると、第2章の54ページでも解説したように、長い目で見ると資金が増えにくくなります。しかも、勝ち負けの差が大きくなると、資金が減ることも出てきます。
 このように、リスクを多く取ると、目先的にはハイリターンになる可能性もありますが、長期的にはローリターンやマイナスリターンになりやすいのです。それよりも、リスクをコントロールしてできる限りコンスタントにリターンを上げる方が、長い目で見れば資金が増える可能性が高いのです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 順張りで売買するのが基本 - 順張り/逆張りと株を買い増しする方法
 逆張りと順張りはどちらが良いのでそうか?
 基本的には順張りをお勧めします。逆張りをした場合、「そろそろ安くなったから」と値頃感を感じて買い始めても、株価がさらに下がり続けることもあります。一方の順張りであれば、そのような可能性は低くなります。
 手堅く稼いでいくためには、大きな値幅を取ることよりも、株価が底打ちしたことを確認して買い、天井を過ぎたことを確認して売るのが、もっとも無難です。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 逆張りは当たり外れが大きい - 順張り/逆張りと株を買い増しする方法
 一方、逆張りのメリットは「当たると大きい」ことです。株価が下がる中で買っていくので、うまくいけばより底値に近いところで買うことができます。そうなれば、その後の上昇で大きな利幅を取れます。
 ただ、先ほど述べたように、株価がなかなか底打ちせず、買値まで戻らないことも十分にあり得るので、外れたときの損失も大きいわけです。
 当たり外れの差が大きくなると、短期的には大きく儲かることがあっても、長期的には徐々に資金が減っていく可能性があります。このことから考えると、逆張りは基本的にはお勧めできません。
 ただ、低位株の場合は、銘柄によっては下値が比較的限定されているものもあります。そのような銘柄では、下値のラインに近付いてきたら逆張りで徐々に買い始め、その後の反転を待つという方法も考えられます。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ ドルコスト平均法で買っていく - 順張り/逆張りと株を買い増しする方法
 順張りと逆張りを組み合わせたような投資法として、ドルコスト平均法があります。これは、定期的に一定額ずつ同じものを買い続けていく方法で、金(Gold)や為替(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)に投資する際によく使われています。
 一定額ずつ買いますので、株価が安いときに多く買い、高い時に少なく買うことになります。したがって、株価上昇時にドルコスト平均法では、株価が下がる局面でも買い続けることになり、その場合は逆張りをすることになります。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 低位株は長期投資に向いていない - 投資期間の選び方を考える
 低位株は長期投資には向いていません。
 低位株の多くは、成長産業ではなく成熟産業にあります。時には、ここ数年の海運業や鉄鋼業のように、大変身する銘柄が現れることもあります。しかし、そのような企業とめぐり会える可能性は、かなり低いと予想されます。
 となると、株価も大きく伸びる可能性は高いとは言えず、むしろ、景気の波に沿って上げ下げを繰り返す可能性が高いでしょう。そのような銘柄が長期間持ち続けたとしても、毎年配当をもらえれば良いぐらいで、長期的に見て株価は大して上がらないと思われます。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 低位株は中期的な波に乗って売買する - 投資期間の選び方を考える
 低位株に適した売買の戦術は、ここまででもお話してきたように、中期的な波に合わせて、安い時に買って高い時に売るという手法です。では、低位株の株価の波は、どの程度の周期で動いているのでしょうか?
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 低位株の株価の動きは、市場全体の影響も受けますが、それより短い周期で上下する傾向があり、株価が上下する回数が多いことになります。その性質を利用して、安くなったら買い、高くなったら売るということをコツコツと繰り返すのが、低位株に適した投資法と言えるでしょう。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 銘柄の主な材料 - 材料を狙った売買で儲けられるか
 個々の企業について様々なニュースが発表され、それらに影響されて株価が動くことも多々あります。このような、「株価を動かす元となるようなニュースなど」のことを、「材料」と呼びます。
 また、株価に良い影響を与える材料を好材料、悪い材料を与える材料を悪材料と呼びます。
 材料にはいろいろありますが、大きく分けると以下のようなものです。
  ① 新製品や新サービスの発表(好材料)
  ② 違法性のある事件や不祥事の発表(悪材料)
  ③ 証券会社等のレーティングの変更(好材料/悪材料どちらもあり)
  ④ 業界全体に関わるようなニュース(好材料/悪材料どちらもあり)
  ⑤ 業界予想の上方修正(好材料)/悪化(悪材料)
  ⑥ 四半期決算/中間決算の好転(好材料)/悪化(悪材料)
  ⑦ 需給による人気化(好材料)/人気の離散(悪材料)
 個人投資家の中には、こういった材料が出たことを見て、買う(売る)判断をしている方も多いかと思います。しかし、材料の種類や内容によって、株価に与える影響は異なります。その点はよく考慮することが必要です。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 株価への影響が不確定な材料の場合 - 材料を狙った売買で儲けられるか
 ここまでにあげた材料の中には、業績や財務に与える影響が比較的はっきりしているものもあれば、予想がつきにくい(不確定な)ものもあります。
 不確定な材料ほど、将来の予想が立ちにくいので、株価の動きも読みにくくなります。その後長期的に大きく株価が上がるかも知れませんし、株価上昇が一時的に終わってしまうこともあります。
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 不確定性の高い材料によって買う場合は、株価が中期的に上昇して、大きく利益を得られる可能性もあります。一方で、株価上昇が短期で終わり、高値掴みになってしまうリスクもあります。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 材料に乗って売買する場合の考え方 - 材料を狙った売買で儲けられるか
 基本的には、株価への影響がわかりやすいほど、その後の株価の動きもある程度予測がつくと考えられます。また、予想外の材料であるほど、株価への影響が大きくなりやすい傾向があります。
 ただ、好材料が出るまでの段階で、株価がすでに大きく上昇していたとすると、材料が出ても株価が反応しないこともあります。逆に、悪材料が出るまでに株価が大きく下落していた場合も同様です。こういった状態を「材料出尽くし」と呼びます。
 このように、材料によってその後の株価がどのような影響を受けるかは、状況によってばらつきが大きく、「好材料=買い」「悪材料=売り」と単純には言えない面があります。もし、好材料に乗って買っていようというのであれば、その材料への株価への影響をよく考えた上で判断する必要があります。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 損切りするのは心理的に難しい - 失敗したら迷わず損切り
 「この株は上がりそうだ」と思って買ったものの、あまり上がらないうちに値下がり始めるということは、よくあることです。様々な分析によって買う判断をしたとしても、それが100%当たることはあり得ません。損失が出た株をいつまでも持ち続けて損失が拡大すると、「今売ると大きな損失が確定してしまう」と思うようになって、売るに売れなくなります。そして、やがては塩漬け状態になってしまいます。
 そうならないうちに、損失の出ている株を売って、それ以上損失が増えないようにすることを損切りと呼びます。しかし、実際には、ついつい「もう少し待てばまた戻ってくるだろう」と希望的な観測を持ってしまい、損切りが遅れて、結局は損失が膨らむことになりがちです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 「損を切って利を伸ばす」ことが重要 - 失敗したら迷わず損切り
 株で儲けるための基本戦術の1つとして、損切りは重要です。
 株の格言に「損を切って利を伸ばす」というものがあります。「損失が出た株は早めに売って損切りする一方、利益が出ている株はできるだけ持続して利益を伸ばすべき」という意味ですが、これこそ長期的に資産を増やす上で重要なことです。損失が膨らんだ塩漬け株をそのまま持っていれば、その資金が固定されてしまい、有効な資金活用ができなくなります。精神的にも落ち込んでしまいます。
 さらに、損失が膨らんでから投げ売りした場合、その損失を取り戻そうとして、無謀な売買に走ることもありがちです。それによってさらに深い傷を負い、立ち直れなくなることもあります。
 うまく儲けている投資家とそうでない投資家との違いは、損切りが上手いかどうかで決まるとも言われます。そのぐらい、損切りは重要なポイントなのです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ チャートから損切りのポイントを判断する - 失敗したら迷わず損切り
 株価がさほど値下がりしていなくても、チャートから損切りを判断することも考えられます。
 例えば、底値を過ぎたと判断して買った後、株価が思うように上がらず、再度下がり始めたとしましょう。その場合、底と判断していた株価を下回ったら損切りする、というような策が考えられます。底と判断したところが直近の安値にあたりますが、直近の安値を下回ると株価はさらに下がる傾向があります。したがって、そうなる前に損切りしておくわけです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 失敗してもくよくよしない - 低位株投資の心構え
 株を始めたばかりだと、日々の値動きに一喜一憂することも普通です。誰しも、株価が上がれば嬉しいですし、逆に値下がりすれば落ち込んだりもします。
 ただ、そのような感情の起伏が、冷静な判断力を失わせることも往々にしてあります。例えば、株価がわずかに値下がりしただけで「もうダメだ」と思って売ってしまったり、逆に、大きく値下がりしているにもかかわらず、「いずれ復活する」とかなわぬ夢を見て、売らないままになってしまうこともよくあります。
 しかし、株の世界で長く生き残っていくには、精神的に落ち着くことが必要です。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 大勝ちを狙わずに地道に利益を積み上げる - 低位株投資の心構え
 低位株は成長株と異なり、長期保有して大きく値上がりを狙うものではありません。1~3年程度の株価の波を見ながら、安くなった買い、高くなったら売るということを繰り返して、こまめに利益を積み上げていくという手法を取ります。
 長期投資は、うまくいけば大きな利益を生みますが、その確率は高くありません。一方、低位株投資は長期投資ほどの利益は得られませんが、銘柄やタイミングの選択を間違えなければ、利益になる確率は長期投資よりも高いのです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 日々の学習や研究を継続する - 低位株投資の心構え
 株式市場は一種の戦場であり、株に投資するのは「戦い」です。いい加減な気持ちで臨んでいては、あっという間に敵に斬られておしまいになるだけです。
 必要なのは、常に謙虚な気持ちで日々の学習や研究を怠らないことです。何も仕事に支障を来すほど勉強しろというのではなく、たとえ1日15分でも空いた時間をうまく使って継続することが大切なのです。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

○ 変化する株式市場に対応する - 低位株投資の心構え
 書店で株式投資の本を見ると、「こうすれば儲かる」的な内容のものが多いものです。確かに、ある一時期にはその方法でうまくいったかも知れません。しかし、株式市場は「生き物」であり、同じ方法でいつまでも成功し続けることは不可能です。
 第1章で解説したように、景気は数年周期で循環していき、それに沿う形で相場局面も移り変わっていきます。また、上昇トレンドといっても、全体的に上昇するときもあれば、特定の業種に人気が集中してそれ以外は蚊帳の外になることもあります。
(第4章 低位株の投資戦略と売買戦術)

 









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