はじめてでも儲ける低位株投資戦略(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

藤本 壱 (著) 2008年12月10日


○ 長期上昇が崩れた日本の株式市場 - 株価が上がり続けることはない
 2003年~2007年にかけて、日本の株式市場はバブル崩壊以来久しぶりに、長い上昇相場になりました。日経平均株価は、2003年4月の8,000円割れから、2007年6月の18,000円台まで、2倍以上になりました。
 しかし、サブプライムローン問題の深刻化に伴って、株価上昇はそこまでで止まりました。2008年3月と9月には、日経平均株価が一時12,000円を割り込みました。さらに9月15日の米投資銀行大手のリーマンブラザーズの破綻を契機に、10月に入ると米国市場が暴落し、その後日経平均も一週間ほどで約3,000円も下げ、10月28日には一時7,000円を割るなど、激しく売り込まれました。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 理論上は「利益限定/損失無限大」 - 空売りのリスク管理は厳格する
 株を買って値動きで儲ける場合、株価が上がれば上がるほど利益になり、利益は理論上、無限大まであり得ます(実際には株価が無限大に上がることはないですが)。逆に、株価はどれだけ下がっても0円が限度ですので、最悪の場合でも買った金額が全部損失になるだけです。
 これに対し、空売りでは損失の関係が逆になります。株価が下がれば下がるほど利益になりますが、株価は0以下にはなりませんので、そこで利益は限界になります。一方、株価が上がれば上がるほど損失になり、理論上は損失が無限大まであることになります。
 実際には、損失が膨らむと担保(委託保証金)不足の状態になります。保証金最低維持率(ネット証券では20~30%程度)を下回ると、証券会社から委託保証金の追加を求められます。これを追加保証金(追証)と呼びます。それでも期日までに追加保証金を差し入れずに保証金最低維持率を下回ったままの場合、その時点で取引が強制的に決済されます。具体的には建玉が反対売買されて、損失が確定します。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 銘柄によっては逆張りも考えてみる - 逆張りで買っていく
 繰り返しになりますが、買いは基本的には上昇トレンド時に行うべきです。下落トレンドの間に逆張りで株を買うと、その後に株価がさらに下落することもよくあります。したがって、基本的に逆張りはお勧めしません。
 特に、値動きの読みにくい銘柄では、逆張りは厳禁です。そのような銘柄だと、株価が下がりだすとどこまで下がるか見当がつかず、大きな損失になることもあり得ます。
 ただ、低位株には逆張りに適した銘柄もあります。それは、下値が堅い銘柄です。株価の動きにある程度規則性があり、「これ以上は株価が下がりにくい」というラインがある銘柄なら、逆張りで買っていくことも考えられます。そのラインの近くまで株価が下がったら、買うようにするわけです。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ ハイリスク・ハイリターンなことに十分注意 - 逆張りで買っていく
 ナンピン買いには大きなリスクがあります。
 ピラミッディングは、株価が上昇トレンドの時に行うので、上昇が止まれば買うのもやめて、利益を確定することになります。買い始めが遅いと損失になることもありますが、その損失の額はそれほど大きくなりません。
 一方のナンピン買いの場合、株価が下がり続ける間は買いを続けることになります。しかし、株価下落が止まらないと、その間は含み損がどんどん拡大していきます。また、やがては買うための資金が底をついてしまい、それ以上はナンピン買いを続けることができなくなります。株価が下落した後に大きく戻れば利益も大きいですが、株価が戻らなければ大きな損失を被ることになります。
 このように、ナンピン買いの場合、成功すれば大きな利益になりますが、失敗すると損失も大きくなり、リスクが大きくなります。
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 繰り返しになりますが、ナンピン買いを行う場合は、下値が堅くて規則性があり、業績も安定していて財務的にも問題ないような銘柄を選ぶことが必要です。さらに、資金的にも十分な余裕がる場合に限られます。
 また、業績が急激に悪化するなどして、株価がこれまでと違う動きをして、下値が崩れてしまった場合は、早急に損切りすることも必要です。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 市場の急落にはリバウンドが起こりやすい - 市場全体が急落したときのリバウンドを狙う
 何らかの悪材料が原因で、市場が全体的に急落することがあります。しかし、急落すると「ここまで下がったならそろそろ買いだ」という人も出てきますので、株価が短期間に大きくリバウンドすることもあります。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 市場全体の急落時を狙う - 市場全体が急落したときのリバウンドを狙う
 では、株価が急落したらいつでも買いなのでしょうか? それはもちろん違います。例えば、特定の銘柄に何か悪材料が出て急落した場合、そのままずるずると下げが続くことも多く、そのような銘柄を買うのは危険です。
 良い買いタイミングは、市場全体が急落したときです。市場全体に悪影響があるニュースが出ると、多くの銘柄が売り込まれて一気に急落することがあります。その場合、個別銘柄に悪材料が出ているわけではありませんので、多くの銘柄でリバウンドが起こりやすくなります。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 市場全体の急落を判断する方法 - 市場全体が急落したときのリバウンドを狙う
 では、「市場全体が急落した」ということは、どのように判断すれば良いでしょうか。「日経平均株価やTOPIXが大幅に下落した」という判断が思いつくかも知れませんが、それでは不十分です。ここでは、急騰レシオを紹介します。
 急騰レシオとは、直近の一定期間の市場全体の値上がり銘柄数合計を、値下がり銘柄数合計で割った値です。通常は25日間の値上がり銘柄数/値下がり銘柄数から計算します。
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 市場全体が急落すると、多くの銘柄が売り込まれますので、値下がり銘柄数も急増し、急騰レシオの値が下がります。急騰レシオと日経平均株価の動きを合わせて見ることで、市場全体の急落を判断します。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

○ 実際に買うには勇気が必要 - 市場全体が急落したときのリバウンドを狙う
 ここまでで見てきたように、市場全体が急落した直後に買えば、短期間で大きな利益を得ることができます。ただ、そのような状況では、「もっと下がるのではないか」という恐怖心が先にたち、なかなか買う勇気は出ないことでしょう。しかし、株価のいきすぎは修正されることが多いものです。恐怖心を払って、勇気を出して買うしかありません。
 もっとも、前述したように、買った後さらに下がることもあり得ます。繰り返しになりますが、資金を分散して再度の下落に備えるようにします。
(第5章 下落相場に対処して利益を上げる法)

 









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