バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール(4 バフェット流キャッシュフロー計算書の読み方)

メアリー・バフェット (著), デビッド・クラーク (著), 峯村利哉 (翻訳) 2009年3月19日


No.52 永続的競争優位性を持つ企業は、資本的支出が低くなる傾向にある
 “資本的支出”とは、1年超にわたって保有される資産 - すなわち土地や生産設備などを取得するさい、支出される現金もしくは現金同等物を指す。この項目には、特許のような無形資産の取得費用も含まれる。基本的にこれらの資産は、一年超の期間に減価償却もしくは、なし崩し償却される。“資本的支出”はキャッシュフロー計算書の“投資活動によるキャッシュフロー”に計上される。
  ・
  ・
  ・
 資本的支出のありようは、会社によってさまざまである。多くの企業は、事業継続のためだけに、巨額の資本的支出を余儀なくされる。巨額の資本的支出が何年も続けば、当然ながら、収益に大きな影響が出はじめてもおかしくない。「だから自分は電話会社に投資をしないのだ」とウォーレンはいみじくも語っている。通信綱を整備するために、電話会社は莫大な資本支出を強いられており、この支出は会社の長期的経済性を著しくそこねているからだ。
  ・
  ・
  ・
 長期的に見たとき、永続的競争優位性を持つ企業は、そうでない企業と比べると、資本的支出に振り向ける純資産の割合がきわめて低い。たとえば、〈リグリー〉は毎年、純利益のおよそ49パーセントを資本的支出にあてている。〈アルトリア・グリープ〉はおよそ20パーセント、〈プロテクト&ギャンブル〉は28パーセント、〈ペプシ〉は36パーセント、〈アメリカン・エキスプレス〉は23パーセント。しかし〈コカ・コーラ〉は20パーセントであり、〈ムーディーズ〉は6パーセントなのだ。
 ウォーレンが看破したのは、年間の資本的支出が純利益の50パーセント以下、という状況を長年にわたって維持してきた企業は、永続的競争優位性の持ち主である可能性が高いということだった。年間の資本的支出が一貫して純利益の25パーセント以下なら、永続的競争優位性から恩恵を受けている可能性はさらに高まる。
(4 バフェットキャッシュフロー計算書の読み方)

No.53 配当アップよりも自社株買いを続けている企業こそが株主を富ませる
 永続的競争優位性から恩恵を受けている企業は、大量の現金がとうとう流れ込んでくるため、何につかえばいいかという贅沢な悩みがつきまとう。既存事業に再投資するつもりもなく、新規事業を開拓するつもりもなく、かといって放置しておきたくもない場合、使い道としては株主配当と自社株買いのふたつが考えられる。
 しかし、配当を受け取った株主は税金を支払わなければならないので、ウォーレンは株主配当の手法を好まない。株主の財産を増やしたいなら、もっと気のきいた手口があるからだ。それは自社株買いである。企業が剰余金の一部を自社株買いにまわせば、発行済み株式総数が減り、1株あたり利益が増え、やがては株価の上昇を引き起こす。
(4 バフェットキャッシュフロー計算書の読み方)


 









← 3                                                 5 →
トップページ