敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか(第7章 収益率の特徴と中身)

チャールズ・エリス (著)  2003年12月4日


 株式の実質価値に注目する長期投資家にとっては、企業収益と配当が他社に比べて高いかどうかが一番の関心事である。他方、市場価格に注目する短期の投機家にとっては、日々ないし月々の投資家心理の変化や、人々がいくらまで払おうとしているかといったことに、すべてがかかってくる。天気と同様、運用においても、長期では驚くようなことはないが、短期では驚きの連続なのだ。
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 財務省証券は、インフレ調整前の名目値では九五年のうち九四年間で明らかに利益をあげ、まったく安全に見えた。しかし、インフレ調整後ではこの期間の六〇%しか利益を上げていないし、さらに驚くべきことに年間平均収益率はほぼゼロになっている。
 換言すれば、財務省証券はインフレによる目減りを単に補う以上のものではないということである。ほとんどの期間、購買力を減価しないで元本を回収できるが、それだけである。実質収益率はほぼゼロなのだ。
 長期債は、インフレ調整後でより高い収益率を生み出す。
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 二五年間のリターンを見れば、インフレ調整後の実質収益は株については年平均六.六%、債券は一.八%である。
(第7章 収益率の特徴と中身 - 第Ⅱ部 運用理論の基礎)










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