バフェット投資の王道(第1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

ロバート・P・マイルズ (著), 三原 淳雄 (著), 小野 一郎 (著) 2005年1月17日


○ はじめに
 機会さえあれば、世界中の一流経営者がバフェットに相談しようと押し寄せてくる。政治家がバフェットの支持を得ようとしてオハマにやってくる。毎年一月にワシントンのアルファルファ・クラブで行われるディナーでは、大統領、連邦議会議員、司法関係者、さらには連邦準備制度理事会(FRB)の議長までが、バフェットと親しくファーストネームで呼び合う仲である。バークシャー・ハサウェイの買収対象となることは経営者の名誉と考えられている。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 投資のスーパースターも実行している原則
 バフェットによれば、あらゆる投資の本質は、実はバリュー投資ということになるが、それは一ドルの価値を持つ資産を五〇セントで買うという芸術的かつ科学的な方法である。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 一〇〇〇億ドルを超える財産を築き上げた
 例えば、毎年一〇〇万ドルを一〇%の利回りで四八年と六カ月の間投資し続けると、一〇億ドルになる。普通に考えれば、これだけでも十分に大きな成果であるが、バフェットはこれと同じ成果を株主のために六六回、自分自身のために三六回達成したことになる。つまり、過去五〇年の投資キャリアの中で一〇〇回以上もそれを達成したのである。
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 バフェットの報酬は、当初は五万ドル、現在は一〇万ドルであるが、それ以外の資金を注ぎ込むことなく、バフェットは当初三〇〇万ドルだった自分の投資資産を三五〇億ドルに増やしている。この間、自分の持ち株会社の株式を売買せず、ストックオプションも得ていない。
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 一九六二年時点で、バフェット自身が一五〇万ドル、パートナーが八五〇万ドルを出資し、合計一〇〇〇万ドルの投資資産を持っていた。バフェットが四一歳になった一九七一年における資産は、バフェットの持分が三三六〇万ドル、株主の持ち分が三六四〇万ドル、合計七〇〇〇万ドルになっていた。これが、一九八二年になると、バフェトの持分が三億七二〇〇万ドル、パートナーの持分が四億三〇〇万ドル(合計七億七五〇〇万ドル)に膨れ上がった。バフェットは、一九八九年に一〇億ドルプレーヤー入りを果たした。この年の彼の資産は三四億ドル、株主の資産は三七億ドルとなり、合計七一億ドルの資産を築くにいたったのである。
 一九九八年には、バフェットは文化的な象徴として採り上げられるようにもなり、三三六億ドルの財産を所有する、世界で二番目の資産家となった。このとき、彼のパートナーたちの資産は七一四億ドルになっており、合計すると、何と一〇五〇億ドルに達したのである。自社株式や特許を売ることもなく、自分で企業することもせずに、これほどの富を築いた人物は、これまでに存在しなかった。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ バフェット独自の資産構築方法
 ウォーレン・バフェットが経営する持株会社バークシャー・ハサウェイは、他のどの企業コングロマリットよりも幅広い分野にわたって、より多くの企業を抱えている。
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 バフェットが持っている特異な才能は、企業の価値を的確に評価し、経営者の価値(質の良し悪し)を判定し、よいと思った企業を割安な価格で手に入れたうえ、才能ある経営者のやる気を起こさせて、企業を引き続き経営させるところにある。彼は余剰資金ができると、この離れ業を何度でも繰り返すのである。究極の資本主義の循環と言うことができるだろう。
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 他人の事業に投資して資産を築きたいと思うなら、相応の量の本を読み、研究しなければならないことは肝に銘じていてほしい。平均的な投資家よりもよい実績を上げるためには、毎日読書し、それを楽しいと思えるようになることが必要だろう。残念ながら、このことに近道はない。自分で研究することが得意でない場合には、攻める投資には向いていないと割り切って、コストの低いインデックス投信に投資するのが最良の選択かもしれない。そうしておけば、必要最小限の時間で市場並みの成績を上げることができるだろう。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 最高の存在になるために最高の人から学べ
 投資は、やり方によってはギャンブルによく似た面を持つ。自分が何をしているのか、何を持っているのかを知らない、私情で取引を行う、関係者のアドバイスに従う、短期間でお金を得ようとする、自分の技よりも運の良さに頼ろうとするなどは、ギャンブルの要素である。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 市場価格ではなく、純資産で数字を捉える
 バークシャー・ハサウェイはデイリー・クリーン(アイスクリーム)、ワールド・ブック(書籍)、自動車保険のGEICOなど一〇〇社以上の企業を直接所有している。このほか、三〇〇億ドル以上の資金をコカ・コーラ、アメリカン・エキスプレス、ジレッとなどの株式に投資している。
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 S&P500指数と比較すると、バフェットの実績がどれほど桁外れであるかがわかる。プロのファンドマネージャーであるか、個人投資家であるかを問わず、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の七〇%を代表するS&P500と同じか、それを上回る成績を収めれば、十分に検討したと考えられるだろう。バフェットはその二倍の成績を三〇年間にわたって達成している。しかも、バフェットは二〇〇一年にS&Pと同じ程度落ち込んだ以外は、すべての年でS&Pを上回っているのである。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ なぜバフェットはバブルに踊らなかったのか
 ほんの少し前に、株式市場にはたがの外れたような異常な上昇を経験した。この期間は、後にハイテクバブルあるいは非合理的な繁栄と呼ばれることになる。
 一方、二〇〇〇年三月のバークシャー・ハサウェイの投資利回りはそれまでの最低だったため、事情通や市場参加者の中では、バフェットの勘が鈍り、市場の動きを捉えられなくなったのではないかという見方が広まった。しかし、バフェットはバリュー投資の原則を堅持し、自分の理解できない事業に投資は行わないと言い切った。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 下げ相場に強いバフェット投資
 バフェットは、利益が次第に増加する企業、しかも激しい競争にさらされていない企業に投資しているので、数字を見ると雪だるま式に利益が増加していることがわかる。バークシャー・ハサウェイは利益を出している企業を買収する。そして、そこで生み出される利益が、次の買収に振り向けられるのである。
 一九六七年のバークシャー・ハサウェイの税引前(および少数株主への配当前)の利益は一四〇万ドルであった。一九七四年になると、利益は七〇〇万ドルになった。その後も利益は増え続け、一九八二年に七八〇〇万ドル、一九九〇年に五億一七〇〇万ドル、一九九五年七億二五〇〇万ドル、そして二〇〇二年には六五億ドルにまで膨らむのである。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)

○ 株価は企業の価値を表すものではない
 彼が株価を無視するのは、株価が事業の実質的な状況と無関係に決まるものだからである。彼にとって価値は事業の中にあり、一方、株価は事業の外側の出来事なのである。
 株式市場において、一桁だった株価が二桁あるいは三桁になり、高株価になる心理的な抵抗感を取り除くために、株価引下げを目的として株式が分割されることを目にしたことがあると思う。株式ブローカーは取り扱った株式の数で報酬が決まるので、株式分割を歓迎する。www.bigcharts.comで見ることのできるバークシャー・ハサウェイのチャートを見ると、面白いことがわかる。バークシャー・ハサウェイは一度も株式を分割したことがない。
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 バークシャー・ハサウェイの株価は一九七一年に七〇ドル、一九八二年に七七五ドル、一九八九年に七〇〇〇ドル、そして一九九八年には一株七万ドルを超えてしまった。
(弟1章 最高であるために最高の人に学ぶ)









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