バフェット投資の王道(第6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

ロバート・P・マイルズ (著), 三原 淳雄 (著), 小野 一郎 (著) 2005年1月17日


○ 自宅の近くにある会社の株式に投資する
 バフェットが投資してきた企業が取り扱っているのは、レンガ、塗料、断熱材、カーペット、掃除機、宝石、家具、家庭用器具、電化製品、百科事典、靴、アイスクリーム、チョコレートであり、さらに電力会社や全米第二位の不動産ブローカーまである。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

○ 関係者をみんな幸せにする投資
 二〇〇二年一〇月以降、それまでは保険会社が中心だったバークシャーは、売上高の大半を保険以外の事業から得るコングロマリットに変身した。食品の卸・小売の両方を行うマクレーン社(従業員一万四五〇〇人)とプレハブ住宅業者クレイトン・ホームズ社(従業員六八〇〇人)とを加えて、従業員数は一六万五〇〇〇人を超えた。毎年三、四社を買収しているので、バークシャーの従業員数は今後も増え続けるだろう。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

○ 投資家を不安にさせるウォールストリート
 株式を担保に借金をして、さらに株式を買う取引はたいへんな利益をウォールストリートにもたらす。しかし、バフェットと同じように資産を形成したいなら焦ってはいけない。株式を担保とする借入についてバフェットはあっさりと「やってはならない」と言い切っている。借金はすべきではない。ウォールストリートが勧める取引をすればするほど、ウォールストリートが潤うだけであり、あなたのお金は吸い取られて、彼らのものになるのである。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

○ 事業の中身が何より大事
 イソップは約二六〇〇年も前の人物であるが、尻尾をなくしたキツネの話を書いている。そのキツネは、他のキツネたちにとっても尻尾など必要ないと思わせようとした。この話の教訓は、利害関係を持つ人のアドバイスを信用してはいけないということであり、ウォールストリートであなたが得るものは、すべて利害関係を持つ人々によるアドバイスなのである。
 一九九二年に雑誌ニュー・リパブリックで、バフェットはこう語っている。「ウォールストリートの多くの人々は、企業も株式も取引するための素材としか見ていない」。つまり、その企業が何を製造しているか、あるいは利益を上げているかどうかについても、ほとんど関心がないということである。
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 投資についてバフェットは、機会あるごとにこう繰り返してきた。「人々は貪欲で愚かで、怖がり屋ばかりだ。それがウォールストリートにおける投資行動に反映されている。物事の成り行きは予想できない。FRB議長が金利や金融政策について私に何かをささやいたとしても、何の違いももたらしてはくれない」。
 例として、バフェットは一九七二年にシーズ・キャンディを買収する機会が生まれたとき、彼が興味を持ったのは、事業の収益性と優れた経営陣、そして魅力的な買収金額だったという。株価、金利、経済全体の将来の動向などは一切考慮しなかった。
 さらにこう続ける。「私は株式市場でお金を儲けようと考えたことは一度もない。明日市場が閉鎖されて五年間は再開されないという状況であっても、私は株式を買う。株式市場のあるなしは関係ないのであり、それは無視しても構わない。むしろ取引を行わないほうが成功につながることは多いのだが、投資家の多くは常に売買していたいという誘惑に勝てない」。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

○ 昔ながらの経済と新しい経済の比較
 図2を見て、産業革命以来の重要な発明が株価と事業利益に与えた影響を理解していただきたい。最近のハイテク、ドットコム、インターネット革命はこれまでの発明とは異質だと言って回った人々は、ウォールストリートの投資家に対して随分ひどい仕打ちをしていることがおわかりだろう。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)

○ メインストリート流の企業評価方法
 バフェットがメインストリートの事業を調査する際の主な観点は三つある。

 ①まず、事業そのものを見る。わかりやすい事業であるか、その産業はわかりやすいか、高収益を生む事業か、負債はあるか、そして資本に対する利益率はどの程度か。
 ②次に経営者を見る。彼らは率直な人間か、企業を成長させるための計画はどんなものか、計画に対する資金の手当ては万全か、経営者は株式をいくら所有しいているか。
 ③最後に株式市場に目を向ける。企業の価値はいくらか、本当の価値と比べて割安に買収できるか。

 一九九六年にバフェットは、世界最大のパイロット訓練会社であるフライセフティ・インターナショナル社(FSI)を調査した。同社は二〇〇〇万ドルを投資して、コンピュータを駆使した二〇〇台のフライト・シュミレーションを所有していたが、この公開企業の事業は、バフェットが理解できるものだった。
 FSIの創業者でありCEOでもあるアル・ウェルツキは、経営者として完璧だった。自らの手で経営を行い、倹約家であり、事業について真剣に考え、行動的であり、しかも品格を重んじる信用できる人物である。従業員の離職率は低く、経営者が株式の大きな部分を所有していた。
 そして最後に、バフェットは、現在の利益の一五倍に相当する買収金額一五億ドルはたいへん魅力的だと判断した。
(弟6章 ウォールストリートでなく、メインストリートに投資する)









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