バフェット投資の王道(第7章 少数の銘柄を大量購入して持ち続ける)

ロバート・P・マイルズ (著), 三原 淳雄 (著), 小野 一郎 (著) 2005年1月17日


○ 超長期にわたる投資の利点
 最も望ましいことは、後に売りたくないと思うような株式を買うことだ、とバフェットは言う。この言葉がバークシャー・ハサウェイの投資内容をよく説明している。「それこそが私たちの目指すものであり、企業を丸ごと買収するときも、考え方は同じである。私たちはGEICOを丸ごと買収した。シーズ・キャンディもバッファロー・ニュースもそうだ。私たちがこれらの企業を買収したのは、あとで売るためではない。私たちが目指すのは、喜んで一生所有し続けたいと思う企業を買収することであり、今後もそれを続けるつもりである」。
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 ウォーレン・バフェットは、投資、事業経営、そして資産形成を結婚と比較することがよくある。結婚相手は慎重に選ぶほうがよい。事業のパートナーもそれと同じだ、とバフェットは言う。そうすれば、離婚に伴うコストを心配しなくてすむ。結婚相手を選ぶ秘訣は、事業のパートナーや株主を選ぶのと同じであり、大きな期待を抱いていない相手を選ぶことだが言う。
 一生保有しようと考えると、調査段階から見方が違ってくる。販売権の価値に注目するようになり、事業を取り巻く堀(あるいは、将来に続く比較優位性)がどれだけ大きいかを見るようになる。経営者にも注目するようになるし、従業員の愛社精神や満足度も気になってくる。顧客につても知りたくなる。顧客は満足しているか、頻繁に繰り返して買ってくれるか。
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 長期保有のメリットを指摘している。長期保有すれば、感情に流されるリスクと、いつ売って次に何を買うかについての間違いを続けるおそれがなくなるだけでなく、税金と取引コストも節約できる。
(弟7章 少数の銘柄を大量購入して持ち続ける)

○ フォーカス投資を行う - 量ではなく質が重要
 もしバークシャーが投信だったとしたら、証券取引委員会(SEC)はバフェットの基本原則に従った投資を行うことを許さなかっただろう。SECは、株式に投資する投信すべてに対して、一社の株式への投資を二五%以下に抑えることを求めており、ポートフォリオ中のそれ以外の株式はいずれも五%を超えてはならないとしている。言い換えれば、株式に投資する投信では、最低でも一六銘柄の株式を保有しなくてはならない。ところが、バフェットのポートフォリオは四銘柄で七〇%を構成している。投信だと最も効率的にやっても、一〇銘柄ないと七〇%にならない。
 バフェットは一九九六年の株主総会でこう話した。

 わが国の膨大な個人資産は、例えば五〇社に分散されたポートフォリオを組んで成し遂げられたものではない。素晴らしい事業を一つ見極めた人によって大きな資産が築き上げられるのである。一般的に行われている分散は、自分のやっていることを理解している人にとってはほとんど無意味である。分散に意味があるとすれば、無知な者を守ってくれることだ。市場との対比において、悪いことが何も起きないようにしておきたいと思った場合には、市場のすべてを所有すべきである。それが間違いだとは言わない。事業をどうやって分析すればよいかわからない人にとっては、それはとても健全なアプローチだ。しかし、事業を評価する方法を知っているなら、五〇社も、四〇社も、あるいは三〇社もその株式を所有するのは狂気の沙汰だ。どう考えても、一人の人間が理解できる素晴らしい事業がそんなにたくさんあるはずはない。最高に素晴らしい事業を買い進まないで、魅力の大きさが三〇番目か三五番目と考える事業に資金を注ぎ込むのは、私から見れば頭がおかしくなったとしか思えない。
(弟7章 少数の銘柄を大量購入して持ち続ける)

○ 分散していては儲けられない
 「人並外れて大きな結果を得るために、人並外れて変わった行動を取る必要はない」とバフェットは言う。
 あなたが平均的な利回りを望んでいるなら、S&P500インデックスファンドを所有すべきだろう。S&P500は市場の七〇%を構成するアメリカの最大手企業を集めたインデックスである。図3を見てほしい。二五〇銘柄の株式を所有すれば、統計学的には市場の実績から上または下に外れる確率は三%になる。しかし、一五銘柄だけを持っていれば、市場から上下に外れる確率は二五%になる。
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 著名な経済学者、ジョン・メイナード・ケインズは、次のように考えたことがある。「人間の知識と経験には明らかに限界があるので、十分に自信を持ってこの企業は大丈夫と言える企業の数が二,三社を超えることはまず考えられない」。
 バフェットのパートナーであり、バークシャー・ハサウェイの副会長を務めるチャーリー・マンガーは、二〇〇一年の株主総会で、この件について興味深い発言をしている。「アメリカで、わずか三社の優れた企業に自分の財産のほぼ全額を長期的に投じた人は、間違いなく大金持ちになっている」。
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 バフェットはこう語る。「ニューヨークからシカゴへ向かって高速道路を走っているときに、途中の小さな町アルトゥーナで、いったん高速道路を降りて寄り道をしたりはしない。私たちは企業を買いたいと考えている。私たちは企業を売るつもりはなく、買収した企業との付き合いは一生続くと考えている」。さらに続けてこう語る。「株式はシンプルなものだ。やるべきことは、高い意識と能力を持つ経営者が率いる優れた企業の株式を、その本質的価値よりも低い価格で買い、永久に保有し続けることだけである」。
(弟7章 少数の銘柄を大量購入して持ち続ける)

○ フィッシャーの投資哲学「決して売らない」
 急速に価格が上昇している株式を売ることを投資家が思いとどまったことで、多くの財産が築き上げられていったとフィッシャーは指摘する。「もしその企業の質が高いのなら、どんな価格であっても売ることはバカげている。質の高い投資対象の数は限られているかであり、世界最高級の会社の株を売ったお金で、いったい何をするつもりだろうか」。株価が一時的な天井に達していると思えても、また近いうちに大きな値下がりがあるかもしれないとしても、長期的な将来展望が十分に魅力的であれば、フィッシャーは決して売らない。
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 バフェットは一九九六年にこう書いている。「あなたがたの目標は、理解できる事業を行い、今後五年、一〇年、二〇年と、利益が大きく増えることが確実と思える企業の株式を買うことです。時が経てば、これらの基準に適合する企業はほんの一握りしかないことがわかってきます。だから、これと思う企業を見つけた時には、まとまった量の株式を買うべきなのです。方針から外れたことをしたくなる誘惑に負けてはいけません。一〇年間、株式を保有する気がないのなら、たとえ一〇分間であってもその株式を所有しようとは考えないことです。ポートフォリオは、利益が長い期間積み上がっていく企業で構成しましょう。そうすればポートフォリオの価値も上昇していきます」。
(弟7章 少数の銘柄を大量購入して持ち続ける)









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