バフェット投資の王道(第10章 バフェットの後継者に学ぶ五つの投資原則)

ロバート・P・マイルズ (著), 三原 淳雄 (著), 小野 一郎 (著) 2005年1月17日


○ はじめに
 ルー・シンプソンは、誰でもウォーレン・バフェットの資産形成の手法を使って成功できること、場合によってはバフェットよりもよい成績を上げることも可能であることを示している。
 本書は、ウォーレン・バフェットの後継者から学ぶ五つの投資原則について記している。ルー・シンプソンは、バークシャーの完全な子会社であるGEICO自動車保険の投資運用部門のCEOであり、ウォーレン・バフェットが自ら選び出した後継者(バフェットに何かあった場合のバックアップ)でもある。
 一九九五年の株主への手紙の中で、シンプソンについてバフェットはこう書いている。

 ルーは、実に立派に投資活動を運営している。一九八〇年から一九九五年までの間、ルーが管理する株式資産は年平均二二.八%の利回りを達成したが、この間S&Pの利回りは年平均一五.七%だった。私たちがバークシャーで行っているのと同じで、ルーの手法は慎重な集中投資である。
(弟10章 バフェットの後継者に学ぶ五つの投資原則)

○ シンプソンとバフェットの共通点
 二人とも飽きることのない読書家であり、自分の頭で考えることができる。どちらもウォールストリートから離れて生きる道を選び、オフィスから数ブロックのところに住んでいる。ともにバリュー投資家であり、一ドルの資産を五〇セントで買うチャンスを狙っている。アイビーリーグの大学で経済学の修士号を取得している。投資に感情を挟み込まない。当然、二人とも長期投資を行う。企業の事業、経営者、財務が主な関心事であり、そのあとで株価を見る。
(弟10章 バフェットの後継者に学ぶ五つの投資原則)

○ ルー・シンプソンの投資原則
 さて、ここで、ルー・シンプソンの時代を超えて運用する五つの投資原則を見てみよう。
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 ①自分の頭で考える
 「私たちは、昔からの知恵と呼ばれているものを正しいとは考えていません。私たちは、時々ウォールストリートを呑み込む非合理な行動や感情を回避しようと考えています。人気のない企業だからと言って無視はしません。むしろ、そのような中に素晴らしい投資のチャンスがあることも多いのです」

 ②株主のために経営されている高収益企業に投資する
 シンプソンはこう書いている。「長期的に考えると、株価の上昇は、株主資本に対する利回りと最も直接的に関連しています。キャッシュフローは損益計算書の利益よりも操作することが難しく、追加的な判断基準として役に立ちます。そして私たちは、企業の経営者を評価する際に、次の質問をすることにしています。

  経営者自身が自社株を多数保有しているか
  経営者は株主に対して率直に接しているか
  採算の悪い事業から撤退する意思があるか
  余剰資金で自社株の買い戻しを行っているか

 この最後の質問は最も重要なものでしょう。収益を上げている企業の経営者が、余剰資金を使って収益性の低い事業を展開することはよくあります。自社株を買い戻すほうが経済的にはるかに有利なケースは多いのです」。
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 ④長期投資を行う
 ルー・シンプソンはこう考える。「個別の株式、株式市場、あるいは経済全体について、短期的な動きを予想しようと試みても、一貫してよい結果を得ることは考えられません。短期的な変化は極めて予測困難です。一方、株主のためを考えて経営されている良質な企業の株式を所有していれば、投資家が長期的に平均を上回る利回りを得るチャンスは非常に大きいのです」。
 「しかも、頻繁に売買を繰り返すことは、二つの点で投資利回りに対する大きな不利を背負うことになります。取引手数料と税金です。手数料と税金に邪魔されないようにして利益を複利で運用することで、資本は急速に成長します」とシンプソンは断言する。
(弟10章 バフェットの後継者に学ぶ五つの投資原則)

○ シンプソンの間違いと強み
 シンプソンの投資における最大の間違いは、売るのが早すぎたのでもなければ、ハイテクへの投資でも、頻繁な取引でも、また事情通の意見に乗ったのでもなかった。彼の最大の間違いは、所有している企業の内部情報に耳を傾けたことだった。この間違いの結果、彼はインサイダーとなり、ポジションを動かせなくなってしまったのである。
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 個人投資家へのアドバイスとして、彼はバフェットからアドバイスを繰り返す。「初めてバフェットにあったとき、彼が私にくれたアドバイスの中に、投資について二〇回乗れる乗車券を持っていると考えよ、というのがある。二〇回しか投資の決断はできず、それが終わったら、そのときに持っているものとつき合わなくてはならないということである。そのように考えることは、本当に意味がある。とても慎重になり、自分がやろうとしているどんな動きについても、十分に確信を持とうとして集中できるからだ」。
(弟10章 バフェットの後継者に学ぶ五つの投資原則)









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