バフェットの投資原則(第5章 人生の原則)

ジャネット・ロウ (著), 平野 誠一 (翻訳) 2008年8月22日


○ はじめに
 バフェットが株式市場やビジネスの倫理、ネブラスカ州のトウモロコシ相場などについて話始めると、世界中が耳をそばだてる。当面の問題についての分析もさることながら、「なるほど、そのとおりだ」と思わず膝を打つような、含蓄のある話をしてくれることが多いからだ。実際、バフェットは人生のさまざまな側面について語っているように思われる。
 また親友のチャーリー・マンガーによれば、バフェットは世界有数の富豪でありながら、とても幸せな生活を送っているという。
 そこで本書では、彼が人生についてどう語っているかも見ていこうと思う。バフェットのように生産的な、しかも満ち足りた人生を楽しむための秘訣が見つかるかもしれない。
(弟5章 人生の原則)

○ 目標に集中する
 「事業の成功例よりも、失敗例のほうが得るところが大きいのではないかと感じることがよくあります。ビジネススクールでは成功例を教えることになっているそうですが、私のパートナーのチャーリー・マンガーは、自分が知りたいのはいつどこで死ぬかだけだと申しております。そうすれば、あとはそこを避けて通るのだそうです」
(弟5章 人生の原則)

○ コラム - いい人なのに一等賞
 「富豪といえば石油、不動産、海運などで財をなした人たちを思い浮かべる。ところが、バフェットは株式投資だけで富豪になった。こんなことは史上初だろう」
 タイム誌の記者、ジョン・ロスチャイルドの言葉である。
(弟5章 人生の原則)

○ 正直に生きる
 バフェットは、息子のハワードに次のように話して聞かせた。
 「周囲の人からそれなりの評判を得るには二〇年かかる。でも、その評判はたった五分で崩れることがある。そのことを頭に入れておけば、今後の生き方が変わるはずだ」
(弟5章 人生の原則)

○ 人格を高める
 性格とは持って生まれたものではなく、自分で変えられるものである。これについてバフェットは、こんなたとえ話をしてくれた。ある学校に通う学生は、クラスメートのなかから一人を選び、その子が一生の間に稼ぐ利益の一〇%を手に入れることができる。しかし同時に、クラスメートからもう一人を選び、自分が一生の間に利益の一〇%をその子に手渡さなければならない。もしこのような学校が存在し、読者がそこに通っているとしたら、いったい誰を選ぶだろうか。
 「面白いことに、たいていの人は自分にできないことを基準にして考えたりしません。走り高跳びで二メートル跳べるやつは誰だ、フットボールで六五フィートのロングパスができるやつは誰だ、円周率を小数点以下三〇〇桁までそらんじているやつは誰だ、などということは考えないのです。
 では何を基準に考えるか。人柄とか性格といったものを総合的に考えて判断しようとするのです。しかも、そこで問題となる要素は、すべて自分らの努力で獲得できるものばかりです。大半は習慣の問題だと言ってよいでしょう。
 私のかつての上司ベンジャミン・グレアムは一二歳のとき、他人が持っている素晴らしい点と、嫌だなと思う点とをすべて紙に書き出したそうです。このリストには、一〇〇メートルを何秒で走るとか、走り高跳びで何メートルを跳ぶかといったことは、一切載っていませんでした。書かれていたのは、自分がそういう人物になりたいかどうかを問うものばかりだったのです」

 「自分より立派な人たちとずっと一緒にいれば、少し浮かび上がることでしょう。そうでない人たちと一緒にいれば、ずるずると下がり始めることでしょう」
(弟5章 人生の原則)

○ コラム - 自分にぴったりのヒーローを探しなさい
 フィリップ・フィッシャーは、現代の資産運用理論に多大な影響を与えた人物として知られており、『普通株と普通でない利益』とか『堅実な投資家はよく眠る』といった著書がある。バフェットの投資スタイルのうち八五%はグレアム譲りであり、残り一五%はフィッシャー譲りだそうだ。
 「私はフィッシャーから、いわゆる“ゴシップ”アプローチを学びました。投資対象になりうる企業が見つかったら、その企業がどんな事業をどのように行っているのか、ライバル会社や出入りの業者、顧客などから話を聞いて調べるというやり方です」
(弟5章 人生の原則)

○ 知恵を分かち合う
 アメリカではさまざまな財政赤字抑制策がとられてきたが、どれも失敗に終わっている。バフェットに言わせれば、その責任は、歳出削減や増税という厳しい政策を断行した議員を落選させてしまった有権者にあるらしい。
 「簡単に言うなら、自分たちの利益を進んで犠牲にする聖人が議会にあまりいないということだ」
(弟5章 人生の原則)









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