投資力を鍛える『会社四季報』実践トレーニングブック(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

会社四季報編集部 (編集) 2007年6月


○ 1.底値から高値への相場環境に合わせた銘柄選び
 市場参加者の多くが、まだ本格的な景気回復に自信を持てないときでも、株式相場は先取りして上昇し始めます。そうした初期相場は「金融相場」と呼ばれます。金利が低下傾向にあることも、株価上昇の支援材料になるからです。
 初期相場では企業業績全体は減益なので、将来の着実な成長が見込める「成長株」や、時価総額が少なくて値動きの軽い「小型株」が相対的に有望です。
 次に、企業業績が実際に増益に転じると、株式市場全体が上昇するようになります。この中期相場のことを一般に「業績相場」と呼びます。中期相場では、市場のエネルギーが高まっているので、時価総額の大きい大型株や、景気回復の恩恵を受けやすい景気敏感株、PER(株価収益率)が割安な株が上昇しやすくなります。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 2.初期相場① 成長株で利益成長の波に乗る
 株式市場全体が、本格的な上昇相場に入る前には、相対的に下値不安の小さい銘柄が他銘柄に先駆けて上昇することがあります。たとえば、事業が好調で収益急拡大が続いている成長株がその一例です。
 成長株は、利益の伸び率が高いので、今期予想PERよりも来期予想PERが割安になります。ですから仮に株価が下落しても、近い将来には来期予想PERを織り込み始めるため、下値不安が小さくなります。
 ただ、成長株投資にはリスクも伴います。将来への期待が大きい銘柄は、人気化して株価が割高に買われる傾向があるからです。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 3.初期相場② 小型株は好材料への反応が敏感
 上場企業の中には、ニッチな業務に特化することで世界的にも高いシェアを誇る会社や、またこれまでにない新しい事業を展開しているといったユニークな事業モデルを持つ会社が数多く存在します。こうした有望小型株を発掘して投資することには、大型株投資では味わえない面白さがあります。
 時価総額が小さいため値動きが軽く、好材料に早く反応するのも小型株の特徴です。前もって仕込んでいれば、高い投資リターンも可能です。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 4.中期相場① 大型株は先行期待が高まったときの牽引車
 市場参加者の先行期待が高まって来たときに、市場を引く牽引するのが大型株です。
 時価総額上位企業には、トヨタ自動車やNTTドコモ、キャノン、といった日本を代表する企業が名を連ねています。大型株を「主力株」とも呼ぶのは、こうした企業が相場に大きな影響を与えるからです。
 大型株は事業基盤が堅固で業績も比較的安定しています。市場取引も活発で、いつでも売買が成立する安心感があります。ただ、市場エネルギーが乏しいときはなかなか上昇しないこともあります。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 5.中期相場② 景気敏感株は景気回復期に力強く上昇
 景気変動によって業績が大きく左右する銘柄を景気敏感株と呼びます。
 医薬品や食品のように不況期にも業績が比較的安定している業種とは対照的に、景気の循環とともに業況が回復と交代を繰り返すのが景気敏感株の特徴です。
 景気の先行きを見通すうえで欠かせない統計が日銀短観です。主要企業・製造業の行状判断DIが最も市場の注目を集めますが、景気敏感株の投資タイミングを計るには、同時に発表される業種ごとの業況判断が大いに役立ちます。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 6.中期相場③ テーマ性が高いのに割安な人気割安株
 全体相場が上昇している過程で、日経平均などの指数よりも高いパフォーマンスを得ようとするならば、人気のテーマ性を備えた割安株に注目してください。
 たとえば、石油価格が上昇している時は石油・石炭などの資源株が市場の人気テーマとなります。地価が上昇し始めれば不動産業、為替が円安に振れれば自動車や電機などの輸出関連株が人気化します。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 7.後記相場① 増益で財務も完全な出遅れ割安株
 株価の上昇が続き、天井が近い、という局面がいつかは来ます。そうなると、今まで人気の圏外に置かれていた銘柄にまで物色対象が広がります。たとえば、業績は好調なのにPBR(株価純資産倍率)が1倍割れ水準まで放置されていた出遅れ割安株に見直し買いが入ることがあります。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 9.調整相場① 下げに強いのはディフェンシンブ銘柄
 相場の上昇が終わり、下降局面に入ってきたときに注目される銘柄群があります。それがディフェンシンブ銘柄です。
 業種でいうと、食品や医薬品、電気・ガスです。食品、医薬品、電気・ガスなどは、景気がいいときも急に需要が拡大しませんが、景気が悪くなっても重要が急に減りません。そこで、景気や相場が悪いときに相対的に注目されることが多いのです。
 株価が上昇する局面では大型株や景気敏感株が物色されますが。が、こうした株もいつかは上昇が終わり、下降を始めるものです。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)

○ 11.調整相場③ 材料株は相場軟調局面で逆行高も
 株価は新しい「材料」が大好きです。企業が新製品開発や新事業展開などを発表すると、株価が上昇することがよくあります。新製品や新事業などの材料によって、数年後の企業業績が好転することを投資家が期待するからです。全体相場が軟調なときはこうした材料株が幕間つなぎに買われることがあります。
 記事の後半部分の材料欄をたんねんに読めば、将来上昇する材料株を先取りできることもあります。
(第5章 相場環境に応じた有望銘柄選択法)







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