面白いほどよくわかる決算書の読み方(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)

平林 亮子 (著) 2007年1月

  目 次
 序盤  決算書はいちばん信用できる会社の情報
  決算書の予備知識① 粉飾決算事件が会計不正を招いた!?
  決算書の予備知識② 複雑な会計システムが粉飾を可能にする!?
  決算書の予備知識③ 絶対に正しい決算書は実際にありえない
  決算書の予備知識④ 会社の業績や規模は売上や資本金だけでは測れない
  決算書の予備知識⑤ 株式会社=大会社ではない。表面上の情報だけにとらわれない
  決算書の予備知識⑥ 上場会社の規模や業績は株価だけで判断できない
  決算書の予備知識⑦ 変動する株価より決算書の情報を信用しよう
  決算書の予備知識⑧ 重要なのは貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書
  決算書の予備知識⑨ 貸借対照表は個々の項目ではなく合計額に注目しよう
  決算書の予備知識⑩ 損益計算書は売上と利益に注目しよう
  決算書の予備知識⑪ キャッシュ・フロー計算書はプラスマイナスに気をつけよう
 第1章 貸借対照表は色眼鏡で見てみよう
  貸借対照表① 貸借対照表は期末時点の会社の状態を表す一覧表
  貸借対照表② 貸借対照表は左側の「資産」、右側の「負債」と「純資産」の3部構成
  貸借対照表③ 貸借対照表は会社のお金の出入りの結果または予定である
  貸借対照表④ 収支のスケジュールは資産も負債も「流動」と「固定」で表される
  貸借対照表⑤ 貸借対照表には過去、現在、未来の金額が混在する
  貸借対照表⑥ 流動資産は正常営業循環の中で発生する資産
  貸借対照表⑦ 現金預金は金額より、今後の利用のしかたが重要になる
  貸借対照表⑧ 売上債権は契約や手形に示された回収予定金額で計上される
  貸借対照表⑨ 棚卸資産は現金預金に変わるまでの道のりを把握する
  貸借対照表⑩ 株式などの有価証券は株価の動向に注意する
  貸借対照表⑪ その他の流動資産は金額の大小に注意して内容を見きわめる
  貸借対照表⑫ 固定資産は商品の売買をサポートする循環の中で発生する資産
  貸借対照表⑬ 有形固定資産は減価償却によって費用になる
  貸借対照表⑭ 無形固定資産はその会社の権利や経済的な価値
  貸借対照表⑮ 「投資その他の資産」は取得原価または時価で計上される
  貸借対照表⑯ 貸借対照表の資産が会社の財産のすべてではない
  貸借対照表⑰ 繰延資産は特別に計上することが認められた資産
  貸借対照表⑱ 負債は「仕入債務」「有利子負債」「引当金」「その他」に分けて考える
  貸借対照表⑲ 「有利子負債」は計上された金額だけでなく、利息にも注意しよう
  貸借対照表⑳ 引当金は将来の支出を見積もった金額で計上される
  貸借対照表㉑ 株式会社は出資している株主のものである
  貸借対照表㉒ 純資産は株主の持ち分だがその金額はあくまでも目安
  貸借対照表㉓ 「資本金」という名前のお金はどこにもない
  貸借対照表㉔ 負債は単独ではなく資産とのバランスで考える
  貸借対照表㉕ 負債+純資産が資産。純資産の割合が高いほどよい
  貸借対照表㉖ 純資産の変動は株主資本等変動計算書にまとめられる
  弟1章に出てくる 用語のまとめ
 第2章 損益計算書の数字は並べてみてみよう
  損益計算書① 会社の利益は損益計算書で計算される
  損益計算書② 費用が売上を生み、売上が費用として分配される
  損益計算書③ 会社の費用や収益は多種多様。種類別に並べて一覧表にする
  損益計算書④ 損益計算書は5つの区分で考える
  損益計算書⑤ いつの売上なのかをしっかり把握することが大切
  損益計算書⑥ 売上原価の計算方法は会社で選択する
  損益計算書⑦ 販売費及び一般管理費は会社の必要経費を意味する
  損益計算書⑧ 「人件費」といってもいろいろある
  損益計算書⑨ 減価償却費は過去の固定資産の取得原価に基づいて計算される
  損益計算書⑩ 減価償却費の計算のしかたで毎年の利益はこんなに変わる
  損益計算書⑪ 販売費及び一般管理費の内容はさまざまである
  損益計算書⑫ 営業外損益は金融機関との取引記録である
  損益計算書⑬ 特別な内容が計上される特別損益には気をつけよう
  損益計算書⑭ 会社はさまざまな税金を支払っている
  損益計算書⑮ 税金を差引くと最終的な利益が計算できる
  損益計算書⑯ 会社の業績のよし悪しは3ステップで把握する
  損益計算書⑰ ステップ1は3つの利益を把握すること
  損益計算書⑱ ステップ2は資本利益率で考える
  損益計算書⑲ 資本回転率と売上高利益率は売上力と利益力を表す
  損益計算書⑳ ステップ3は損益計算書を並べてみる
  損益計算書㉑ 会社のデータを並べて業績の推移を確認する
  損益計算書㉒ 同業他社と並べて自社の強みと弱みを把握する
  損益計算書㉓ 目標値と並べて広い視野で数値を把握する
  弟2章に出てくる 用語のまとめ
 第3章 キャッシュフロー計算書は会社の思惑を想像しながら見てみよう
  キャッシュ・フロー① 現代の会社は利益とキャッシュが一致しない
  キャッシュ・フロー② キャッシュ・フローは内容別に3つに分類する
  キャッシュ・フロー③ 営業活動によるキャッシュ・フローはプラスが原則
  キャッシュ・フロー④ 営業活動によるキャッシュ・フローは利益に調整を加える
  キャッシュ・フロー⑤ 利益とキャッシュのズレは貸借対照表に現れる
  キャッシュ・フロー⑥ 営業活動は損益計算書の減価償却費に注目しよう
  キャッシュ・フロー⑦ 投資活動によるキャッシュ・フローはプラスもマイナスもある
  キャッシュ・フロー⑧ 設備投資か資金運用かを見きわめる
  キャッシュ・フロー⑨ プラスマイナスの理由を見きわめることが大切
  キャッシュ・フロー⑩ 財務活動によるキャッシュ・フローはプラスもマイナスもある
  キャッシュ・フロー⑪ 資金のスケジュールを見きわめよう
  キャッシュ・フロー⑫ プラスやマイナスの理由を見きわめよう
  キャッシュ・フロー⑬ 3つのキャッシュのプラスマイナスを見てみよう
  キャッシュ・フロー⑭ 自由につけるフリー・キャッシュ・フロー
  キャッシュ・フロー⑮ お金の借入金で会社の経営状況をつかむ
  キャッシュ・フロー⑯ 「利益は意見、キャッシュは事実」といわれるけど・・・
  弟3章に出てくる 用語のまとめ
 第4章 知っておくと役立つよく出てくる指標
  役立つ指標① ROA(総資本利益率) ROE(株主資本利益率)
  役立つ指標② BPS(1株当たり純資産) EPS(1株当たり当期純利益)
  役立つ指標③ PER(株価収益率) PBR(株価純資産倍率)
  役立つ指標④ 配当性向(配当ポリシー) 配当利回り(株主への還元割合)
  役立つ指標⑤ 固定比率、負債比率(会社の安定性を示す指標)
  役立つ指標⑥ 売上高成長率 利益成長率
  役立つ指標⑦ EBIT(利払前税引前当期純利益) EBITDA(利払前税引前減価償却前利益)
  役立つ指標⑧ EV(企業価値) EVA(経済的付加価値)
  弟4章に出てくる 用語のまとめ
 第5章 ちょっとだけ気をつけたい連結財務諸表のツボ
  連結財務諸表① 連結財務諸表は企業集団の財務諸表である
  連結財務諸表② 連結貸借対照表は企業集団の貸借対照表である
  連結財務諸表③ 相殺した差額は「のれん」にする
  連結財務諸表④ 少数株主持分は連結外を意味する
  連結財務諸表⑤ 連結損益計算書は企業グループの損益計算書
  連結財務諸表⑥ 売上高だけで企業の規模を判断しない
  連結財務諸表⑦ 少数株主利益は損益計算書から控除される
  連結財務諸表⑧ 関連会社は持分法で処理する
  連結財務諸表⑨ 企業集団の範囲は複雑なので注意が必要
  弟5章に出てくる 用語のまとめ
 第6章 決算書の情報を読み取るポイント
  数値の持つ限界① 決算書には3つの数字が含まれている
  数値の持つ限界② 現在価値という考え方を覚えておこう
  数値の持つ限界③ 資産になるものとならないものがある
  数値の持つ限界④ 負債になるものとならないものがある
  数値の持つ限界⑤ 「注記」を確認して会社の処理方法を把握する
  数値の持つ限界⑥ 数値以外の決算書の見所を知っておこう
  数値の持つ限界⑦ 決算書の信憑性と監査について知っておこう
  数値の持つ限界⑧ 監査報告書と監査意見の基本を知っておこう

  「序盤 決算書はいちばん信頼できる会社の情報」では、粉飾決算の背景や決算書の必要性やその構成について紹介されている。例えば、決算書で有用な書類は貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書である。貸借対照表は「資産の部」「負債の部」「純資産の部」からなっており、損益計算書は売上から経費を差引いて利益を計算する書類であり、キャッシュ・フロー計算書は現金や預金が増えたのか減ったのかを把握する書類であるといったことなどが説明されている。

 「第1章 貸借対照表は色眼鏡で見てみよう」では、貸借対照表を構成する資産の部、負債の部と純資産の部について紹介されている。例えば、資産の部は流動資産、固定資産、繰延資産に分かられ、負債の部は流動負債、固定負債に分かられ、純資産の部は株主資本、評価・換算差額等、新株予約権に分類できるといったことなどが説明されている。

 「第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう」では、損益計算書が収益、費用、利益を表し、それぞれ多種多様に分けられた書類あることなどについて紹介されている。例えば、利益には売上粗利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益と5つが存在することなどが説明されている。

 「第3章 キャッシュ・フロー計算書」では、キャッシュ・フロー計算書を構成する営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローの構成やその特徴について紹介されている。また、3つのキャッシュからの流れから、会社の状況を読み取ることについても触れている。

 「第4章 知っておくと役立つよく出てくる指標」では、資本利益率を表す指標や株価が安いか高いかを表す指標、配当が高いか安いかを表す指標や会社の安全性を表す指標など、さまざまな指標について紹介されている。

 「第5章 ちょっとだけ気をつけたい連結財務諸表のツボ」では、連結財務諸表の構成などについて紹介されている。例えば、親会社を中心とした子会社や関連会社全体の企業集団の財務諸表が連結財務諸表であり、それぞれの金額を合計、相殺して作成される。関連会社は親会社の持分に応じて業績を反映させるといったことなどが説明されている。

 「第6章 決算書の情報を読み取るポイント」では、決算書を読むうえで注意しておきたいポイントなどについて紹介されている。例えば、貸借対照表には金額で把握できない資産もあることや、実際に額面通りの価値があるとは限らないこと、会社の処理方法が変更された場合は利益の金額も変わっているといったことなどが説明されている。

○ 変動する株価より決算書の情報を信用しよう
 決算書は、その会社を理解するための信用できる情報の1つだといえるでしょう。大切なのは、決算書の金額がどのように集計された、どんな性質の数値なのかを理解することです。
 粉飾決算や相対的事実の中で、決算書をどこまで信用し、情報をどう読み取ればいいのかという点に注意しましょう。
(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)

○ 重要なのは貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書
 すべての株式会社は、①貸借対照表、②損益計算書、③株主資本等変動計算書、④個別注記表、⑤付属明細書、⑥事業報告といった書類を作成することになっており、これらを総称して「決算書」といいます。上場会社は、上記に加え、キャッシュ・フロー計算書という書類の作成も義務付けられています。
 このうち、会社の状態を知るために有用な決算書は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の3つです。
(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)

○ 貸借対照表は個々の項目ではなく合計額に注目しよう
 主な決算書の1つである貸借対照表は、大きく「資産の部」「負債の部」「純資産の部」からなっています。
 左側に資産の部が、右側に負債の部と純資産の部が配置され、資産の部の合計である「資産合計」の金額と、負債の部と純資産の部の合計である「負債・純資産合計」の金額は一致します。
 資産の部は「流動資産」「固定資産」「繰延(くりのべ)資産」で構成されています。
 負債の部は「流動負債」「固定負債」で構成されています。
 純資産の部は「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」で構成されています。
 分類方法や具体的な内容は後述しますが、貸借対照表を利用する場合には「現金預金」や「受取手形」といった個々の項目ではなく、「流動資産合計」「固定資産合計」「資産合計」といった合計金額を把握することが重要です。
 そして、それぞれの合計額のバランスや、さらには、その中身を分析することで、会社の状況を把握することができるのです。
(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)

○ 損益計算書は売上と利益に注目しよう
 主な決算書の1つである損益計算書は、会社の売上から経費を差引いて利益を計算する書類です。売上をはじめとする会社の儲けを「収益」といい、経費を「費用」といいます。
 具体的には、「売上高」「営業外収益」「特別利益」が会社の収益であり、「売上原価」「販売費及び一般管理費」「営業外費用」「特別損失」が会社の費用に当たります。
 会社のさまざまな収益と費用を、上記のように分類して、損益計算書で段階的に利益を計算しています。
 損益計算書を利用する場合には、「売上高」「売上粗利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の6点に着目することが重要です。
 そして、それぞれの利益の大小や、さらには、その中身を分析することで、会社の業績を把握することができるのです。
(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)

○ キャッシュ・フロー計算書はプラスマイナスに気をつけよう
 主な決算書の1つであるキャッシュ・フロー計算書は、大きく「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」「現金及び現金同等物の増加額」「現金及び現金同等物の期首(きしゅ)残高」「現金及び現金同等物の期末残高」からなっています。
 「現金及び現金同等物の期首(きしゅ)残高」は期首時点で会社がどれだけの現金や預金を持っていたか、「現金及び現金同等物の増加額」は会計期間でどれだけ現金や預金が増えたか、そして「現金及び現金同等物の期末残高」は増加した結果、期末時点でどれだけの現金や預金が残っているかを示しています。
 キャッシュ・フロー計算書は、まず、期首残高、増加額、期末残高に着目し、そもそも現金や預金が増えたのか減ったのかを把握することが重要です。
 キャッシュ・フロー計算書は、営業活動、投資活動、財務活動がそれぞれどのように増減したのかを把握しましょう。
(序盤 決算書はいちばん信用できる会社の情報)










                                                             第1章 →
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