面白いほどよくわかる決算書の読み方(第2章 損益計算書の数字は並べてみてみよう)

平林 亮子 (著) 2007年1月


○ 会社の利益は損益計算書で計算される
 売上などの会社の儲けの総額を「収益」、そこから差引くべき経費などを「費用」といい、利益を計算します。
  利益=収益-費用
 損益計算書には収益と費用、そしてその差額である利益が記載されています。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)

○ 会社の費用や収益は多種多様。種類別に並べて一覧表にする
 会社は存在しているだけで、さまざまな費用が必要となります。
 商品の原価をはじめ、人件費、事務所の家賃、固定資産の減価償却(げんかしょうきゃく)による費用、借入金に対する利息など、会社経営のために欠かせないものから、災害などによる損失や、訴訟に負けた場合の損害賠償費用など、その内容は多岐に渡ります。
 そんため、損益計算書ではその費用をその内容別に分類して、一覧表にしています。
 一方で、収益にもいくつかの種類に分けることができます。
 収益の中心はいうまでもなく売上ですが、預金があれば利息を受取ることもできますし、固定資産を賃貸したり販売したりして儲かることもあります。
 そのため、損益計算書では収益をその内容別に分類して、一覧にしています。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)

○ 損益計算書は5つの区分で考える
 損益計算書は、まず商品の「売上高」からスタートします。そして売れた商品の取得原価を「売上原価」として売上高から差引き、両者の差額として「売上総利益」を計算します。
 売上総利益は、いわゆる「粗利(あらり)」と呼ばれるもので、その商品がどれだけ利益を得る力を持っているかを示しています。
 商品を売るための必要経費は、「販売費及び一般管理費」とし、売上総利益から販売費及び一般管理費を差引いて「営業利益」を計算します。営業利益は、そのビジネスがどれだけ利益を得る力を持っているかを示しています。
 そして、商品の売上以外の収益を「営業外収益」に、借入れに対して支払った利息などを「営業外費用」に計上し、営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を差引いて「経常利益」を計算します。経常利益は、現時点で会社がどれだけ利益を得る力を持っているかを示しています。
 さらに、特別な取引によって生じた利益や損失は、「特別利益」「特別損失」に計上され、経常利益に特別利益を足し、特別損失を差引いて「税引前当期純利益」を計上します。
 最後に、税引前当期純利益から「法人税、住民税及び事業税」を差引いて「(税引後)当期純利益」を計算します。この当期純利益が、会社の最終的な利益となります。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)

○ ステップ1は3つの利益を把握すること
 営業利益とは、会社のビジネスから得られた利益を意味しています。そのため、営業利益はその会社の業績を表す利益といえるでしょう。
 一方、会社経営にはお金が必要です。株主からの出資を募ることもあれば、借入れによってまかなうこともあるでしょう。そして、借入れの割合に応じて利息の支払額が変動します。その利息を差引いたものが経常利益ですから、どのようにお金を集めてきたのかによって経常利益が異なります。そのため、経常利益は資金調達能力まで含めた会社の業績を表す利益といえるでしょう。
 支払うべき税金を差引いた当期純利益は、会社の最終的な利益を意味していますが、これは株主の利益ということでもあります。つまり、この利益分だけ純資産が増加し、株主の持ち分の増加につながるのです。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)

○ 資本回転率と売上高利益率は売上力と利益力を表す
 資本に対してどれだけの売上を生み出すことができたかを表すのが「資本回転率」で、売上力や販売力を意味します。
  資本回転率(%)=(売上÷資本)×100
 また、同じ資本をより多く売上に結びつけようとすれば、販売活動を活発に、かつスピーディに行う必要があり、資本回転率は会社の取引スピードを測るものともいわれています。
 売上の中の利益の割合を「売上高利益率」、もしくは単に「利益率」といいます。
  売上高利益率(%)=(利益÷売上)×100
 この利益に営業利益、経常利益、当期純利益を用いることにより、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率を計算することができます。
 売上高利益率は、どれだけ少ない費用で多くの売上を得ることができたかを意味しており、コスト削減や業務内容の改善などの成果は、利益率の上昇として現れることになります。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)

○ 会社のデータを並べて業績の推移を確認する
 会社のデータを3~5年間ほどを並べてみると、売上や利益の増減といった業績の推移を簡単に確認することができます。
 ただし、売上や利益が伸びているからといって、安心はできません。売上の成長度合いに対して利益の成長度合いが低ければ、利益率が悪くなっていることを意味します。
(第2章 損益計算書の数字は並べて見てみよう)










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